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2017年01月06日

なまこ壁で蔵の冷え性チェック―腰巻・腹巻・鉢巻・全身タイツ?!

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


その形が、なまこに似ていることから名付けられたなまこ壁。
漆喰の白と瓦の黒とのコントラストがとても綺麗です☆

なまこ壁の役割と、四半張りという目地について以前ご紹介しました。

今日は、なまこ壁の位置に注目します(*'ω'*)


まず、初めに香川で最も良く見られるなまこ壁は「腰巻き」


腰壁部分がなまこ壁になっています。


もう少し海風の強い寒い場所に行くと「腹巻き」をしているのが見られます。
下の写真で、1階の屋根の上部に見える、なまこ壁がそうです。

岡山の倉敷美観地区では、腰巻と腹巻をした冷え性さんが多いです☆

下の建物は、「腹巻き」だけじゃなく、更に気合を入れて、「鉢巻き」もしています。

なまこ壁で有名な、静岡県松崎町では、全身タイツならぬ全身なまこが見られます☆

この「腰巻き」「腹巻き」「鉢巻き」、私が面白がって付けたわけではありません(^^)
なまこ壁は、建物のどの位置にあるかで、こう呼ばれます。

屋根の桁(けた)より上では、「鉢巻き」
建物の下部(腰部分)では「腰巻き」
その中間部では「腹巻き」

建物をぐるっと巻くように囲っているので「巻き」とついています。

土壁の保護のためのなまこ壁は、土地の気候などに合わせて、施工される場所(位置)や範囲が異なります。
特に瀬戸内海沿岸では、模様を楽しむオシャレさんが多いんです♪
気候に合わせて、着込んでいく蔵、面白いですね(*'ω'*)


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古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
工事も頼める設計屋さん
㈲谷野設計
香川県さぬき市大川町富田西2911-1
0879-43-6807
info@tanino-sekkei.co.jp
  


2016年11月28日

古い家のシロアリ予防・対策について「ホウ素系って何?」

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


木造の家の困り事や不安で多く相談されることの一つに、「シロアリ」についてがあります。

私も、幼いころに住んでいた木造の家でシロアリ被害があり、
シロアリに食べられた柱がポロポロ崩れるのを見て、シロアリの力ってすごいなと思ったことがあります。
その頃は、幼かったので、恐いとかいうよりも、ただシロアリの威力に感心していましたが(;´∀`)
今思うと、目に見える被害があったということは、見えない部分はどれだけ被害にあっていたのだろうと思うと恐ろしいです。。。

お寺の庫裡(くり)の改修工事でも、一部分、シロアリの被害がありました。


工事では、シロアリの被害のある部分だけをカットして根継(ねつぎ)しました。



でも、出来れば被害にあう前に、予防したいもの。

シロアリの予防としては、木材を湿気させないことが第一です。
設計段階で行う通気や換気、防湿の処置はもちろんですが、建物が建った状態では対策できないの?と不安になるところ。

建った状態で、大掛かりな工事なしに対策するとすれば、有効なのが炭の力。
「炭」が消臭や吸湿作用に優れていることで室内に使用している方も多いと思います。
もちろん、床下でもその威力は変わりません。

もう既にシロアリがいるみたい、という場合には、薬剤による処理も考えなくてはいけません。
薬剤処理で、気になるのは、人体やペットへの影響ですよね。
従来の農薬系の薬剤は、生き物には有害な上、揮発・蒸発するのでシックハウス症候群を招いたり、効果が短いなどの欠点があります。
また、神経毒として働くので、使用を続けることで耐性のできた種類が出現してしまう恐れもあるんです。

人体やペットに無害な物として、「ホウ素系」の防蟻剤があります。


響きだけ聞くと、無害っぽくないと思われそうですが、目薬やコンタクトレンズの保存液に使われています。
「ホウ素」は腎臓を持った人間や哺乳類のペットは体内で分解できるので害がほとんどないんです。食塩と同程度の毒性しかありません。
逆に、腎臓を持たないシロアリなど昆虫は、体内で分解できずに毒として働くことになります。
そもそも、臓器としてないものなので、耐性ができる可能性が極めて低いんですね。
農薬系と異なり、揮発・蒸発せずに、木材の内部に浸透するため、表面をかじられたりしても、効果は無くなりません。
半永久的に持続するので、長期的に見てローコストでもあります。

と、良いことづくめの「ホウ素系」ですが、欠点もあります。
雨に晒される部分や、土の中に埋め込まれているような木材では、徐々に流れ出してしまいます。

害がなく、施工もしやすい薬剤ですが、適切に効果を発揮させるためには、実際に施工経験のある所にお願いするのが安心です。

因みに、ホウ素系以外の薬剤で防蟻処理をした、という場合、5年を超えていたら効果はありませんので、改めて薬剤処理をする必要があります。



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Posted by 谷野設計 at 18:02Comments(0)日本建築豆知識

2016年11月24日

神社に隠された生き物を探し―出雲大社大阪分祠探訪☆

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。

先週末に、大阪でママの家事が楽になる家を提案している正田工建様の構造見学会に行ってきました。
その帰り道、「出雲大社大阪分祠」の看板を発見!!
これは行きたい!と早速探訪してきました☆

神社には、沢山の生き物が隠れています。
今回の探訪では、いつも一緒に勉強している佐藤君と、生き物探しをしながら探訪を楽しみました(*'ω'*)
お家の中の生き物探しは、

でご紹介しています。


出雲大社大阪分祠は、大阪堺市にあります。
出雲大社の分祠と聞くと、古い建物のように感じますが、大国主命の分霊を拝受したのは昭和23年のことだそうです。

鳥居をくぐる前に、目に入ってきたのが、「大国主命(おおくにぬしのみこと)とウサギの像。
有名な神話、「因幡の白兎」の一場面を表しています。


鳥居をくぐって、正面に拝殿が見えます。

11月なので、境内の至る所に、「七五三詣り」ののぼりが立っていました。
拝殿のたたずまいがお美しい(´▽`)

阿形の狛犬さま


吽形の狛犬さま

拝殿で、探訪のご挨拶をしてから早速開始!

こちらの写真は、向拝正面。
写真では分かりにくいのですが、右側に牛?がいます。

大阪分祠の独特な彫刻。鳳凰がいます。私の抱いている鳳凰のイメージとは違って、可愛らしい彫刻でした。
この鳳凰(大阪分祠には、拝殿の屋根の上などにも鳳凰がいます)は、出雲大社大阪分祠となる前からの主祭神に関係があります。
主祭神は、火之迦俱槌神(ほのかぐつちのかみ)という、イザナギとイザナミの最後の子で、火の神です。
火の神が鳳凰として表されています。

立派な丸柱☆



拝殿の向拝柱。 柱の右側に、龍がいました。
龍は、天界との繫がりの深い生き物として、神社やお寺に良く見られます。

木鼻には、植物模様が入っています。



上の写真は、虹梁(こうりょう)や蟇股(かえるまた)
蟇股には、打ち出の小槌の彫刻。小槌の両脇にネズミ?に見える生き物がいました。
蟇股上の梁上部には、左右にウサギがいました。

向拝の唐破風中央にある懸魚(げぎょ)


こちらは、唐破風の先端にいた鳳凰。先ほどの鳳凰より、イメージに近い感じがします。

左側にいるのが、獅子。右側に獏(ばく)

上の写真には、蟇股に牛が2匹。 その上の彫刻部分には竜がいます。

こちらは、曲線の美しい海老虹梁(こうりょう)。
海老のような反りを持っているのでこう呼びます。
名前に生き物が入っているから、これもカウント☆


神社やお寺の探訪で、建築様式など細かいことは分からない!という方は、是非、隠された生き物探しから始めてみてください☆
彫刻で彫られたもの以外にも、生き物の姿をもじったことから、部材の名称に生き物が入っているものもあります。
今回の記事でいうと、蟇股(かえるまた)や海老虹梁(えびこうりょう)です。

隠された生き物から、その神社の由来などを知ることも出来るので面白いです。


出雲大社の探訪記録は、下記からどうぞ☆









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Posted by 谷野設計 at 18:17Comments(0)神社の探訪記日本建築豆知識

2016年11月23日

普茶料理「阪口楼」で見た衝立、屏風と、室礼(しつらい)の歴史

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


前回、普茶(ふちゃ)料理のお店「阪口楼」の引手をご紹介しました
今回は、室礼(しつらい)をご紹介したいと思います。

その前に、室礼(しつらい)って何?ということから。
室礼(しつらい)とは、今では、行事や催し事、季節に合わせて空間を演出するために調度や飾り物を整えることを言います。
ひな祭りの雛段や、五月の節句の兜、掛け軸や、生け花などが分かりやすい例ですね。

室礼(しつらい)という言葉は、平安時代にでき、古くは寝殿内で請客饗宴(きょうえん)・移転・女御入内(にょうごじゅだい)などの晴れの儀式の日に、寝殿の母屋や庇に調度類を整えることでした。



式台玄関を入ってすぐ、一枚板に扇の画が入った衝立(ついたて)が目に入りました。
衝立(ついたて)とは、衝立障子の略で、障子の一種です。
台脚の上に、襖障子や板障子を立てたもので、目隠しや座敷の仕切り、風除けの為に置く塀障具(へいしょうぐ)です。

衝立は、屏風絵に見られるように、平安時代でも重宝されていたようです。でも中世に入り、建具の発達に従って、あまり使われなくなりました。
再び衝立が使われるようになったのは、近世に入ってから。
玄関口や座敷、通り庭や台所といった場所に見られるようになりました。
上の写真は、屏風(びょうぶ)です。
屏風とは、室内に立てて人目を遮ったり、空間を仕切ったりする折り畳み式の塀障具(へいしょうぐ)です。
現在の形は中世以降ほぼそのまま変わっていません。木の枠に、和紙や襖紙などを貼り、「おぜ」という縁を和紙の蝶番で連結して前にも後にも折りたためるようになっています。

屏風の一枚を「曲(きょく)と数えるので、こちらの屏風は2曲です。

因みに、広間の茶室ではよく2曲の屏風が使われます。
茶室で使用するこの2曲の屏風は、道具畳としての区別をつける意味合いがあり「風炉先屏風(ふろさきびょうぶ)」と呼びます。


こちらは、床(とこ)の室礼。

床の室礼は、特に「床飾り(とこかざり)」と言われます。
季節や行事に合わせて趣向が凝らされる場所でもあり、家人のもてなしの心が表れる部分でもあります。
八栗寺の麓にある山田屋さんに正月に行った際の床飾りと、床の間の構成は、別記事で紹介しています。


私は、絵画や骨董品に関しては専門外ですが、床飾りには必ず拝見し、伺うようにしています。
そのお家や、家人のおもてなしに対して「有難うございます」の気持ちを忘れないようにしたいなと思っています。

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2016年11月15日

家の中に取り外し可能な武器がある?!

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


今日は、「落とし掛け」のお話。


落とし掛けというのは、床の間にある下がり壁の下にある横木のことです。
「真」「行」「草」の構えによって使う木材の種類が変わります。

落とし掛けについては、面白い説があります。
取り外しを自由にして、武器として使えたというんです。
突然、敵が侵入してきた時のための策です。

また、刀で切り落として、敵が手間取っているうちに逃げる時間を確保したという説もあります。


実際は、たまたまそういう風に使った武士の話が武勇伝として伝わるうちに、
「落とし掛けは武器として使うために、取り外し可能だった」と言われるようになったと考えられます。
実際に取り外し可能だったという確たる証拠はありません。

現代の日本の生活では考えられないことですね。
もちろん、床の間の落とし掛けを外そうとしても外れません。
しっかりと、固定されていて、落ちてくることはありませんので、ご心配なく(^^)



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Posted by 谷野設計 at 19:49Comments(0)日本建築豆知識

2016年11月12日

戦国時代好き、城好きには必見!石垣職人・穴太衆(あのうしゅう)のこと。 熊本城の復興応援

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。

昨年の11月の記事を見返していたら、日光東照宮の記事に、穴太衆(あのうしゅう)のことをチラっと書いていました。
穴太衆の技術を継承している石工職人について後日改めて書こうと思っていて、すっかり忘れてしまっていました(;´∀`)


これは、書かなくては!!
何故って、今その石工職人たちが築いた石垣が熊本復興の希望のシンボルだからです。

熊本城は、みなさんご存知の通り、先の大地震によって甚大な被害を受けました。
その一方で古建築の地震に対する能力が改めて認識されもしました。
ニュースで報道された、櫓を角の一本の石垣が支えている映像は、強烈な印象に残りました。
この石垣を築いたのが、穴太衆です。(熊本城の石垣は、何度か改修されています。今回、大きく崩れた部分は、明治時代に積み直された穴太衆が積んでいない部分だけがごっそり崩れたようです。)



熊本城の築城の際は、穴太衆(あのうしゅう)が石垣を築いています。
その石垣の復興を、その末裔である平成の穴太衆(あのうしゅう)が担当するのではないかと期待が膨らんだのですが、
修復に長い年月がかかることで、叶わなかったようです。。

その平成の穴太衆は、「第十五代穴太衆頭」の粟田純徳氏が代表を務める粟田建設。
熊本城の石垣復興に関しても、技術説明会を開いたりと尽力されていらっしゃいました。
穴太衆頭というのは、徳川幕府が穴太積を継承する技術者として与えた地位です。


穴太衆(あのうしゅう)って何?というと
ざっくりいうと、石垣を築く高い技術を持った石工職人の集団です。
その技術は、織田信長が比叡山に攻め入った際に穴太衆の造った穴太積(あのうづみ)に感銘を受け、
天正4年の安土城築城の際、穴太衆を動員して石垣構築を行いました。

それ以後、豊臣秀吉、徳川家康など天下取りを目指す名だたる武将に召し抱えられるようになりました。


上の写真は、豊臣時代の大阪城の石垣発掘調査を見に行った時の写真です。(あ(+_+)これも、詳しく載せ忘れている(-_-;) )
分かっているだけで、江戸城、駿河城、名古屋城、伊賀上野城、篠山城、大阪城、二条城、広島城、高知城、熊本城、金沢城、彦根城 竹田城 津山城
名城の石垣に穴太衆の技術が使われています。
日光東照宮にも!こちらの記事に書いています。

何故、戦国時代にこれだけ評価されたかというと、ズバリ、よじ登れないから。
敵が攻めてくるときに、足を掛ける場所が無いように、積まれているからです。
しかも、割石を使わずに、天然の石をそのまま使うところが特徴です。

因みに、穴太衆の起源は、古墳時代後期にまで遡ります。
横穴式古墳の石室づくりで習得された技術が、口伝によって長く継承されているとされています。


ずっと昔からの技術を継承し続けている穴太衆は、私にとってヒーローのような存在です。
沢山の方に、その存在を知ってもらえたらいいなと思っています。


熊本城の復興工事についてですが、復興城主の取り組みが行われています。
熊本の復興に少しでも力になれればと、参加させていただいています。


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2016年11月11日

防火の威力を発揮した高山の卯立(うだつ)

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。

これから乾燥の季節。気を付けたいのは、火災です。
木造建築の弱点は、「火」
火の始末には、十分お気を付けください。

さて、高山の町の防災について、先日書きましたが、興味深いお話があります。


卯立(うだつ)とは、隣家に火災が燃え広がらないように
防火の機能を備えた袖壁です。
中世の町屋においては、板葺き屋根のケラバを風から守るために妻側(屋根の三角形側)の小屋束を一段高くしたものを読び、特に京都を中心に広がった形式は本卯立と言われました。

ところで、高山の古い街並みには、「卯立(うだつ)」が無いとされていました。

しかし、大火災がきっかけで、うだつが発見されたんです。

写真が、その発見されたうだつです。
ちなみに、建物手前に横に走っているのは、火災時に利用される通路です。


もともと、周辺には軒を連ねた家々が並んでいたのですが、火災により焼失してしまったそう。
しかし、ぽつんと残るこの建物は「うだつ」により、火災を免れたそうです。



古くから残るうだつの力がこれほどまでとは、正直驚きますが、これこそ、生活の知恵が生んだ日本の伝統建築の素晴らしさなのかもしれませんね。

高山の古民家探訪は、下記記事に紹介しています☆


2016/10/20
建物の高さとお祭りの関係?!(高山の古民家)
こんにちは☆さぬき市谷野設計の谷野です(^^)お読みいただき、有難うございます。以前、高山の古民家の格子の役割について書きました。今回は、2階の高さの秘密について。飛騨高山の古民家の並んだ街並みを歩くと、2階部分が低く感じます。実際は2階が特別低いわけではないんですが、1階の屋根と2…

2016/10/12
奥に深い家屋に有効な格子の力(高山の古民家)
こんにちは☆さぬき市谷野設計の谷野です(^^)お読みいただき、有難うございます。江戸時代から町屋に頻繁に使われるようになったものといえば「格子」です。外部からの視界を遮り、防犯の役割も持つ格子戸。京都では、商いによって異なる様々な格子のデザインが使われました。小京都と呼ばれる高山の町…

2016/09/07
高山の街並みと火災への対策
こんにちは☆さぬき市谷野設計の谷野です(^^)お読みいただき、有難うございます。飛騨高山は、金森城主が京都に似せて街並みを整備したことで知られています。京都のように、碁盤の目に作られています。高山の古い街並みを歩くと、家同士がぴったりくっつくように造られています。一見、長屋のように見え…

2016/08/17
高山の七夕と、馬頭絵馬市
こんにちは☆さぬき市谷野設計の谷野です(^^)お読みいただき、有難うございます。高山では、8/7に七夕まつりが開催されます。高山では、伝統行事をすべて旧暦のまま行われています。8/5.6に訪れたので、七夕の飾りがあちらこちらで見られました。街並みを散策していると、何か騒がしい神社を発見…

2016/08/09
飛騨高山のさるぼぼのルーツ
こんにちは☆さぬき市の谷野設計の谷野です(^^)お読みいただき、有難うございます。飛騨の高山の旅館に到着したら、玄関で「さるぼぼ」が出迎えてくれました。高山では方言で赤ちゃんのことを「ぼぼ」と呼んでいて、「さるぼぼ」は猿の赤ちゃんを意味しています。1500年ほど前に仏教と共に中国から伝わりました…



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Posted by 谷野設計 at 16:45Comments(2)日本建築豆知識古民家探訪

2016年11月07日

古民家の定義って?

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


最近、よく「古民家ってどれ位古い建物を言うんですか?」と聞かれます。

実は、「古民家」という言葉は、民俗学上の言葉で、建築学でははっきりと定義されていません。
一般的に、「古い一般庶民が住む建物」という使い方をされていて
、どれ位古い家か?の疑問が残りますね。

古民家というと、江戸時代の民家を想像する方が多いと思います。
建築学的に定義がはっきりされていない分、古民家についての記載にはバラツキがあります。

谷野設計では、構造上(建物の構成方法)の分類から、昭和25年以前に建てられた伝統構法の建物、また昭和40年以前に建てられた在来工法の建物を古民家と呼んでいます。

古い建物を改修・リフォームしたい!と考えている方に注意して欲しいのは、設計・施工する人が「古民家」について具体的な根拠を持っているかどうかです。
定義がはっきりしていないからこそ、その会社できちんとしたルール付けとその根拠が必要だと考えます。
現在の建物と構造がどのように違うのかをきちんと説明してもらえる設計士や工務店なら、安心して任せられますね。



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2016年10月20日

建物の高さとお祭りの関係?!(高山の古民家)

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


以前、高山の古民家の格子の役割について書きました。
今回は、2階の高さの秘密について。

飛騨高山の古民家の並んだ街並みを歩くと、2階部分が低く感じます。

実際は2階が特別低いわけではないんですが、1階の屋根と2階の屋根との間隔が狭いためです。

何故、そうなっているかというと、高山の伝統的なお祭りと深い関係があります。

高山の町を歩いていると、一際大きな蔵が何か所かにあります。



この蔵は、高山の伝統的なお祭り「高山祭」で使われる屋台がしまわれています。

お祭りの時になると、それぞれの蔵にしまわれていた屋台が、街を巡ります。
でも、高山の街並みにこの大きい屋台が通ると、屋外の通りで見物するだけの道幅がありません。

(道の両サイドにある側溝の役割は、こちらの記事でご紹介しています。)
それに加え、高さのある屋台がよく見えなくなってしまいます。


お祭りになると、2階部分の開口部にある縦格子が全部外されます。



2階の座敷に座ると、格子のあった下枠が丁度肘のかかる高さに設計されています。

お祭りを、家の中で家族で集まって、御馳走を食べたり、お酒を飲みながら、街を巡る屋台を楽しめるように工夫されているんです。
この高さが、祭り屋台を最高に綺麗に見せる為に古くから伝わってきた高山の匠の技☆


その土地で暮らす人たちの暮らしと町の文化が密接に関係していて、その為にトコトン考え抜いた設計をしている古い街並み。
家を造ること、継承していくことの大切な原点を感じました。

私たちも、常にその原点を忘れずに、家族の暮らしと町に寄り添った家づくりをこれからも大切にしたいです。
いつも、先人の残した古民家には、沢山の学びを頂いているなぁ~。
感謝(*^-^*)



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Posted by 谷野設計 at 10:56Comments(2)日本建築豆知識古民家探訪屋根

2016年10月18日

古民家と酵母菌―明治から伝わる醤油の味

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


小豆島の草壁港近くにある、明治13年から有る金両醤油さん。
外壁は、焼杉板張りの暗褐色が素敵な雰囲気。
現代主流の大量生産のための製造法ではなく、昔ながらの醤油づくりを守っておられる醤油屋さんです。

工場と本社である住宅が登録文化財になっています。


年表によると、明治13年創業で、ご先祖様は赤穂から塩づくりで移住されたそうです。
初代は「正庵」というお医者さんだったそう。
回船業の傍ら醤油醸造を始められたのが明治13年。
とても多才の方だったんですね。

2代目の当主は大阪なんばで「藤庄醤油店」を開業し、大正4年に現在地に工場と住宅(本社)を移されたそうです。
現在は、5代目の女性当主が代表を務められています。

お店の内部は、古い建物を生かしたモダンな造りです。

見上げると、梁の上に、夏障子が飾られていました。

かけ醤油や、だし醤油などを並べているのは、古い和ダンス。

照明を垂らしているのは、工場で使っていた梯子。

小屋の木組みがそのまま生かされていて、開放感のある造り。
金両さんで製造している醤油の味見と説明をスタッフの方がしてくれます。
だし醤油もとてもおいしかったのですが、私の一押しは、醤油とガーリックオイルを一対一でミックスしたもの。
少し甘みのある醤油にガーリックの風味がほんのりして絶品でした☆


醤油を製造している蔵の中も覗かせて頂けました⭐️


杉の樽に製造中のお醤油が。

これは、先ほどと違う樽。
樽の上部に黒く層が出来ています。
醤油を作る上で大切な酵母菌だそうです。
樽の中の酵母菌を全部はこそぎ落とさないことで、同じ味を作ることが出来るんですって☆

こちらは、製造蔵の天井。
さっきのお店の中の天井と比べてみてください。
梁が何やら模様がついているように見えますね。
この、まだら模様に見えるのも、酵母菌です。

天井だけでなく、壁にも酵母菌が沢山!
この梁や壁についた酵母菌の種類によって、味や香りが変わるんだそうです。
原材料よりも、この酵母菌が醤油に与える影響の方が大きいというのには驚きました。

現在主流の製造法では、ホーローやアルミ製の樽に酵母菌を添加すすることで、工程を簡略化し、大量生産を可能にしています。
でも、ここ金両さんでは、添加せず、蔵に住みついた酵母菌で育てています。
時間は掛かりますが、その分味も香りも良い醤油が生まれます。



因みに、金両さんでは、昔は少し砂糖を入れていたそうです。
稀少な砂糖が入った醤油は、価値が高かったのだとか。


屋根瓦を見てみると、軒に近い方の瓦の色が黒っぽくなっています。
この黒くなっている部分にも、酵母菌が付いているのだとか。
雨でも風でも取れないそうです。
なんだか、健気で酵母菌に対する愛着が沸いてきました。


自然由来の酵母菌は、同じく自然由来の材料で造られた古民家と相性が良いんです。

樽や蔵の内部に使われている杉や土壁の調湿効果、培養作用によって、自然淘汰された良質な酵母菌だけが育ちます。
その為、酵母を使って製造する醤油やパンなどの製品も、古民家で作るものは味が良いんです。

昔ながらの味を現代に残しているのも、製造に関わる職人さんの力と古民家の力の融合なのかもしれませんね☆

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