2016年11月11日

防火の威力を発揮した高山の卯立(うだつ)

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。

これから乾燥の季節。気を付けたいのは、火災です。
木造建築の弱点は、「火」
火の始末には、十分お気を付けください。

さて、高山の町の防災について、先日書きましたが、興味深いお話があります。


卯立(うだつ)とは、隣家に火災が燃え広がらないように
防火の機能を備えた袖壁です。
中世の町屋においては、板葺き屋根のケラバを風から守るために妻側(屋根の三角形側)の小屋束を一段高くしたものを読び、特に京都を中心に広がった形式は本卯立と言われました。

ところで、高山の古い街並みには、「卯立(うだつ)」が無いとされていました。

しかし、大火災がきっかけで、うだつが発見されたんです。
防火の威力を発揮した高山の卯立(うだつ)
写真が、その発見されたうだつです。
ちなみに、建物手前に横に走っているのは、火災時に利用される通路です。
防火の威力を発揮した高山の卯立(うだつ)

もともと、周辺には軒を連ねた家々が並んでいたのですが、火災により焼失してしまったそう。
しかし、ぽつんと残るこの建物は「うだつ」により、火災を免れたそうです。



古くから残るうだつの力がこれほどまでとは、正直驚きますが、これこそ、生活の知恵が生んだ日本の伝統建築の素晴らしさなのかもしれませんね。

高山の古民家探訪は、下記記事に紹介しています☆


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この記事へのコメント
こんにちは~♪

今年は三の酉まであるのかな?

昔の人達は それなりに防火 防炎していたのですね。

地方に行きますと結構卯立が見られますね
Posted by 沼津の源さん沼津の源さん at 2016年11月11日 18:28
沼津の源さん、こんばんは⭐️

今年は二の酉までのようですね。来年は、三の酉まであるので要注意です(´・Д・)」

昔の人の火災への意識はとても強いですね。
うだつも、地方によって特色があるようです(ฅ'ω'ฅ)
行きたい場所が尽きません(*´︶`*)
Posted by 谷野設計谷野設計 at 2016年11月11日 20:55
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