2015年12月17日

出雲大社-復元された「ちゃん塗り」という塗装技法

こんにちは☆
さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の
工事も頼める設計屋さん
谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


今回の出雲大社で個人的に見たかったものが、130年ぶりに復活した塗装です。出雲大社-復元された「ちゃん塗り」という塗装技法

上の写真は、本殿を後ろから(北から)撮ったもの。
綺麗な屋根の曲線の下に一際鮮やかに見える緑と金の模様と棟の飾り。
こちらが、遷宮の際に再塗装された部分です。

松ヤニ、エゴマ油、石灰、鉛を混ぜた塗料を塗った「ちゃん塗り」といわれる塗装です。
大遷宮前の調査研究によって、130年前のちゃん塗りを施した大屋根が再現されました。

千木・勝男木・箱棟・鬼板の棟飾り、また破風板・向拝の棟飾りに塗装されています。
千木・勝男木などの棟飾りには油煙(炭)を混ぜた「黒ちゃん」、破風板の錺金具には緑青を混ぜた「緑ちゃん」が塗られ、破風板や鬼板の御神紋は鍍金をした後に地を「黒ちゃん」で塗っているそうです。


ちゃん塗りは、漆喰塗装の代替えとして18世紀初頭に全国に普及した塗装仕様で、渡来の油性塗装です。
銅板屋根に残る塗装片や、木材に直に塗られている塗装など、油性塗料として広く普及していた痕跡が全国の建造物に見られます。

このちゃん塗り、日光東照宮の修復の際に、透塀の上下長押の亀甲花菱紋にも施されています。



特記するべきは、このちゃん塗りが本殿に施されていたことを発見したことです。
修理の際、銅板の塗装はすっかり剥げ落ちていて、明治の遷宮の際に取り換えられているか、もしくは塗装が施されていないのではないかと考えられていました。
その為、塗装を行わない予定だったのですが、職人さんが銅板を何度も見ているうちに、銅板の重なり部分に塗装が施されていた形跡を発見し、赤外線分析によって塗装成分を特定。
更に、過去の遷宮に立ち会った神職の方が職人から聞いた話を書き残した古文書によって、ちゃん塗りが施されていたことの裏付けが取れたそうです。

修繕に携わる職人さんと、伝統的な技法を後世に受け継いでいくという「遷宮」の持つ意味が、今回のちゃん塗り再現に至ったんですね☆


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古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
工事も頼める設計屋さん
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この記事へのコメント
こんにちは~♬

職人さん 凄いですね♪

これぞ日本ですね♪

感銘致しました♪
Posted by 沼津の源さん沼津の源さん at 2015年12月17日 15:42
沼津の源さん、こんにちは!
お読みいただき、コメントも有難うございます⭐️

日本の職人さん、素晴らしいですよね(ฅ'ω'ฅ)
ブログを通して、伝統を支える職人さんの素晴らしさをもっとお伝えしていきたいです⭐️
Posted by 谷野設計谷野設計 at 2015年12月17日 19:42
おはよう~ございまぁ~す♬

期待しております♪

和風本舗のブログ版ですね♪
Posted by 沼津の源さん沼津の源さん at 2015年12月18日 06:22
沼津の源さん、ありがとうございます(*'ω'*)
和風本舗、好きです♪
頑張ります!(^^)!
Posted by 谷野設計谷野設計 at 2015年12月18日 11:52
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    コメント(4)