2015年12月16日

出雲大社―再建された拝殿と他の神社と異なる注連縄(しめなわ)の張り方

こんにちは☆
さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の
工事も頼める設計屋さん
谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


今回は、拝殿について。
出雲大社―再建された拝殿と他の神社と異なる注連縄(しめなわ)の張り方
現在の拝殿は、昭和34年に竣工したもの。参拝をするための建物です。
ご祈祷も拝殿内で行っていただきました。
奉納行事なども拝殿で行われます。

以前の拝殿は、昭和28年に火災により焼失してしまいました。
設計は、神社建築学の権威である福山敏男氏。工事は桃山時代から棟梁の家として続く伊藤平左衛門氏。
大社造りと切妻造が合わさった独特な建築様式です。

屋根は銅板葺き、木材は木曾檜を使用した、高さ12.9メートル、147坪の大建築です。
出雲大社―再建された拝殿と他の神社と異なる注連縄(しめなわ)の張り方
注連縄の裏から妻(つま)を写したところ。

出雲大社―再建された拝殿と他の神社と異なる注連縄(しめなわ)の張り方出雲大社―再建された拝殿と他の神社と異なる注連縄(しめなわ)の張り方
上部の柱の間に見える白いものは電灯です。 色は目立ちますが、木の凹部に埋め込む形でつけられています。
建築の意匠を邪魔しないように工夫されています。

出雲大社―再建された拝殿と他の神社と異なる注連縄(しめなわ)の張り方
柱の上に剣山のような突起が張られていました。

出雲大社―再建された拝殿と他の神社と異なる注連縄(しめなわ)の張り方

金具は東京芸術大学の教授が設計されたものだそうです。

出雲大社―再建された拝殿と他の神社と異なる注連縄(しめなわ)の張り方

礎石は、愛知県の岡崎石(花崗岩)が使用されています。
岡崎は日本を代表する石材の産地で、古くは古墳時代の石棺から石作部という職業として石工の歴史があるといわれています。


余談ですが、出雲大社には注連縄(しめなわ)が拝殿と神楽殿(今回は神楽殿には行けませんでした。)に張られています。

注連縄は、神聖な場所であることの境界や、不浄なものの侵入を禁止する印を表しています。
特に神楽殿の大注連縄は有名ですが、特徴的なのは注連縄の張り方です。

一般的な注連縄は建物に向かって右側から綯(な)い始めて左側で終わります。
これは、綯い始めの太い方を神様から見て左(参拝者から見ると向かって右)にすることで、古来からの左を上位として尊ぶ考えからきています。

でも、出雲大社の注連縄は逆の左側から綯い始め、右で綯い終わります。
これは、出雲大社では一般神社と異なり、向かって左を右よりも上位としていたことにあります。
注連縄の張り方以外にも、本殿の左右にある摂社の配置や、ご本殿内のお供え物を左から供えるなど、出雲大社は古来より向かって左を上位としていたことが分かります。
その由縁は諸説あり、未だはっきりしたことは分かっていませんが、興味深いところですね☆

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古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
工事も頼める設計屋さん
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