2015年11月18日

日光東照宮―石垣と五重塔の免震

こんにちは☆
さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門」の工事も頼める設計屋さん
谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)
お読みいただき、有難うございます。

日光東照宮―石垣と五重塔の免震
日光東照宮、一之鳥居を抜けて右手(東)に進んで御仮殿へ。
特別公開中ということで、中を見ることができました☆(写真撮影はNGの為、内部をお見せできないのが残念…)

説明書きには
『御本社を修理する際にご祭神をお移ししてお祀りする御殿で、現在の社殿は寛永十六年(1639年)の建立。仮殿が常設されているのは全国の神社の中でも当宮のみであります』
と書いてありました。

日光東照宮―石垣と五重塔の免震
石垣があまりにきれいなので、パシャリ☆

乱層積みの石垣は、石の形を生かして積み上げる手法で、積み方には熟練の技術が必要です。

織田信長が安土城を築城する際に、石垣を担当した石垣職人集団「穴太衆(あのうしゅう)」の技術が東照宮の石垣にも伝えられたといわれています。
現代にも穴太衆の技術を継承している石工職人がいるのですが、それはまた別の機会にご紹介します(^^)
日光東照宮―石垣と五重塔の免震
こちらは五重塔。
慶安3年(1648)若狭の国(福井県)小浜藩主酒井忠勝公によって奉納され、文化12年火災にあいましたが、その後文政元年(1818)に同藩主酒井忠進公によって再建されました。

こちらの五重塔も免震設計。
特徴的なのは、心柱が懸垂式で、四重から吊り下げられ、地面から浮いている点です。
これは、江戸時代に考え出された工法ですが、事例は少ないものです。
礎石に心中柱が接していないため、経年の自重や木材の収縮によって狂いが生じた際や、塔身が縮んだ際に、心柱が五重を突き出さないようにした工夫です。
そのために、心柱は独立して先端の相輪だけを支えているのですが、その構造が、免震にも役立っています。
スカイツリーの制振システムにも応用されています。
この五重塔は、大地震を経ても尚健在なことがその免震性の高さを証明していますね。

現在の木造建築では「耐震」の考え方が主流ですが、地震の多い日本の木造建築に受け継がれてきた「免震」の考え方が見直されるようになると良いなと思います。

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古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
工事も頼める設計屋さん
㈲谷野設計
さぬき市大川町富田西2911-1
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穴太衆について、2016/11/12に記事を書きました
2016/11/12
石垣職人・穴太衆(あのうしゅう)のこと。 熊本城の復興応援
こんにちは☆さぬき市谷野設計の谷野です(^^)お読みいただき、有難うございます。昨年の11月の記事を見返していたら、日光東照宮の記事に、穴太衆(あのうしゅう)のことをチラっと書いていました。穴太衆の技術を継承している石工職人について後日改めて書こうと思っていて、すっかり忘れてしまっていました(;´∀…



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