2016年10月26日
陰陽を楽しむ窓―無双窓・陽炎窓・火灯窓(三木町渡邊邸より)
こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
沢山のお茶室が魅力的な三木町渡部邸。
敷地内にある神社の軌跡を辿ろうと、現在も研究中でございます。
建物に残された痕跡で、どこまで行きつくことが出来るのか、途方もなく感じながらも楽しんでいます。
渡邊邸に関しては、孤月庵のお茶室の造りや茶室内部の建具や、瓢箪(ひょうたん)探しなどをご紹介しました。
今回は、陰陽の美しさを感じさせる窓をご紹介します。
下の写真は、無双窓(むそうまど)。

無双窓(むそうまど)とは、換気や採光の為に設けられるスライドで開閉する窓です。

一定の間隔で隙間を開けて固定して並べた連子板の内側に、動く無双板をはめ込み、左右に動かすことで開け閉めが出来るようになっています。
松江の武家屋敷でも無双窓がありました。
下の写真は、陽炎(かげろう)窓。
連子窓(れんじまど)という、木や板、竹などを縦に連ねて並べた形式の窓です。
連子子(れんじこ)と呼ばれる並んだ板が波形になっていて、その見た目から「陽炎窓」と呼ばれています。

内側に、紙貼り障子が建てこまれているので、陰影がとても美しいですね。

こちらは、火灯窓(かとうまど)。

火灯窓の中でも、蕨火灯(わらびかとう)という形です。
床の間の付け書院に設けられていました。
火灯窓は、禅宗様の寺院からはじまり、床の間の書院にも多く見られるようになった窓です。
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古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
工事も頼める設計屋さん
㈲谷野設計
香川県さぬき市大川町富田西2911-1
0879-43-6807
info@tanino-sekkei.co.jp
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
沢山のお茶室が魅力的な三木町渡部邸。
敷地内にある神社の軌跡を辿ろうと、現在も研究中でございます。
2016/07/11
2016/07/13
2016/07/21
2016/07/25
建物に残された痕跡で、どこまで行きつくことが出来るのか、途方もなく感じながらも楽しんでいます。
渡邊邸に関しては、孤月庵のお茶室の造りや茶室内部の建具や、瓢箪(ひょうたん)探しなどをご紹介しました。
今回は、陰陽の美しさを感じさせる窓をご紹介します。
下の写真は、無双窓(むそうまど)。
無双窓(むそうまど)とは、換気や採光の為に設けられるスライドで開閉する窓です。

一定の間隔で隙間を開けて固定して並べた連子板の内側に、動く無双板をはめ込み、左右に動かすことで開け閉めが出来るようになっています。
松江の武家屋敷でも無双窓がありました。
下の写真は、陽炎(かげろう)窓。
連子窓(れんじまど)という、木や板、竹などを縦に連ねて並べた形式の窓です。
連子子(れんじこ)と呼ばれる並んだ板が波形になっていて、その見た目から「陽炎窓」と呼ばれています。
内側に、紙貼り障子が建てこまれているので、陰影がとても美しいですね。
こちらは、火灯窓(かとうまど)。
火灯窓の中でも、蕨火灯(わらびかとう)という形です。
床の間の付け書院に設けられていました。
火灯窓は、禅宗様の寺院からはじまり、床の間の書院にも多く見られるようになった窓です。
デザインには沢山の種類があり、それぞれの形が作りだす光と影の様子も魅力的です。
色々な形や種類のある日本の伝統建築は、陰陽に対しての美意識の表れなのかもしれませんね。
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2016年10月17日
昭和初期の家ー家に刻まれたご家族の軌跡を垣間見た
こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
昨日、小豆島のお宅にご相談を頂き、伺って来ました。
昭和初期に建てられた石場建の建物。
現在は空き家になっているのですが、改修してお子様に残したいとのことでした。
川の氾濫で床下浸水にあったり、一部家事にあったりということもあり、何度か修繕はされているお宅です。

床下を覗くと、石の上に束が乗っているのが分かります。
建てた当初に束と、後で付け加えた束とが見えました。



さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
昨日、小豆島のお宅にご相談を頂き、伺って来ました。
昭和初期に建てられた石場建の建物。
現在は空き家になっているのですが、改修してお子様に残したいとのことでした。
川の氾濫で床下浸水にあったり、一部家事にあったりということもあり、何度か修繕はされているお宅です。
床下を覗くと、石の上に束が乗っているのが分かります。
建てた当初に束と、後で付け加えた束とが見えました。
建具は、現在の住宅ではあまり見なくなった、すりガラスの引戸や

モダンな和柄がオシャレな襖など。
お客様も、今は珍しいから、こういうのってまだ使えるんですか?と。
もちろん、使えます☆
現在と、建具の寸法が異なるので、敷居や鴨居を大工さんが手作業で造ります。
その繊細な作業ぶりも、ご覧いただけます☆
私の個人的なコレクション。引手も撮らせていただきました♪
↑形はベーシックな□ですが、四隅の扇が優美な雰囲気の引手。

先ほどのモダン和柄の襖の引手は、楕円形の四隅が丸くくり抜かれたデザイン。
引手は、本当に職人の遊び心が効いているものが多くて、面白いです(*'ω'*)
そして、こちらのお宅の敷居部分にあったコレ、何か分かりますか?

これは、着物を干すときに使うフックです。
着物は、部屋の中で陰干しするため、家の敷居にフックをかけてそこに着物ハンガーで掛けます。
松竹梅の模様の描かれたものもありました。
フックを掛けていた痕跡も多く、
「(以前お住まいだった)おばあさんは、着物が好きな方だったんですか?」
と伺うと、
「そうなんです。母は良く自分で仕立てたりしていて、」とお母さん。
このお宅に住んでいたころの話を懐かしそうに話してくださいました。
柱には、日付と共にメッセージが刻まれていたり、
生活されていたご家族の様子が家の色んな場所に垣間見れて、ホッコリしました。
古い家を守るということは、ご家族の軌跡も守っていくということなんだなと、改めて実感しました。
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2016年10月12日
奥に深い家屋に有効な格子の力(高山の古民家)
こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
江戸時代から町屋に頻繁に使われるようになったものといえば「格子」です。
外部からの視界を遮り、防犯の役割も持つ格子戸。
京都では、商いによって異なる様々な格子のデザインが使われました。
小京都と呼ばれる高山の町並みにも、格子戸が使用されています。

高山の古い街並みを日が暮れた後に歩くと、家の明かりが外からは見えません。

外部に漏れる光が無いので、一瞬空き家ばかりかと勘違いするくらいです。
でも、その理由は、家が奥に深く作られているため。
冬寒く家の中で過ごす時間の多い土地柄、建物の外部と居住空間を離しているからです。
その造りで問題になるのが、風の通り道。
風を効率的に奥まで通すために、重要な役割を担っているのが、「格子」です。
格子の隙間から、風が吹き込むことで、勢いよく奥まで風が通るようにしています。


家の前にあるある水路にも、高山の土地が表れています。
その土地ごとの生活と家が密接に関係している古民家ならではですね☆
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江戸時代から町屋に頻繁に使われるようになったものといえば「格子」です。
外部からの視界を遮り、防犯の役割も持つ格子戸。
京都では、商いによって異なる様々な格子のデザインが使われました。
小京都と呼ばれる高山の町並みにも、格子戸が使用されています。
高山の古い街並みを日が暮れた後に歩くと、家の明かりが外からは見えません。
外部に漏れる光が無いので、一瞬空き家ばかりかと勘違いするくらいです。
でも、その理由は、家が奥に深く作られているため。
冬寒く家の中で過ごす時間の多い土地柄、建物の外部と居住空間を離しているからです。
その造りで問題になるのが、風の通り道。
風を効率的に奥まで通すために、重要な役割を担っているのが、「格子」です。
格子の隙間から、風が吹き込むことで、勢いよく奥まで風が通るようにしています。
家の前にあるある水路にも、高山の土地が表れています。
その土地ごとの生活と家が密接に関係している古民家ならではですね☆
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2016年07月28日
渡邊邸の茶室「孤月庵」内部の建具特集
こんにちは☆
谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
今回は、渡邊邸の茶室「孤月庵」内部に使用されている建具の特集☆

上の写真は、点前座を写したものです。

外から見た、風炉先窓。 下地窓になっていて、内部の下がり壁の下地窓と異なり、縦横に等間隔に1本・2本の葭が規則的に組まれています。



給仕口の横の壁に上下互い違いにある開口は、「色紙窓(しきしまど)」です。
谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
今回は、渡邊邸の茶室「孤月庵」内部に使用されている建具の特集☆
上の写真は、点前座を写したものです。
下がり壁にある、格子を組んだ開口部は「下地窓(したじまど)」と言います。
下地窓とは、葭(よし)を1~5本程度の本数を変えて、縦・横にバランスよく組みあげた後、所々に藤蔓(ふじつる)を絡ませて作ります。
葭の本数や、格子の間隔など、約束事や制約が少ないため、様々なデザインがあります。
こちらの下地窓は、少し縦長の開口で、真ん中より少し上に葭を5本横に組み、それ以外は、1・2本を組み合わせてあります。
あえて、アンバランスに組んだ格子が、奥の壁に柔らかなシルエットを映しているのも、風情がありますね☆
点前座の正面にあたる部分に畳より20センチほど上がった位置にあるのは、「風炉先窓(ふろさきまど)」です。
外側は、下地窓となっていて、内側は引き残しの紙貼り障子にします。
風炉先窓は、点前座の明るさの確保と、換気のために設けられます。
外から見た、風炉先窓。 下地窓になっていて、内部の下がり壁の下地窓と異なり、縦横に等間隔に1本・2本の葭が規則的に組まれています。
上の写真の、中央より少し左にある、上部が曲線になっている開口部は、給仕口(きゅうしぐち)。
右手にも写真では開いた状態ですが、建具があります。そちらは茶道口(さどうぐち)。
どちらも、亭主が客にサービスするために設けられる出入り口です。
大目畳の席では、このような2つの出入り口が設けられます。
その場合、全く同じものではなく、デザインを変えることで、空間に変化をもたらすことが好まれてきました。
茶道口が方形の開口に対し、給仕口は、写真のように火灯口(かとうぐち)という丸みを付けています。
この火灯口の丸みは、真円よりも楕円に近い方が良いとされています。
茶の流派による違いもあり、裏千家では深く、表千家では浅くするといいます。
北側の戸を開けていると、給仕口から白山が見えます。
給仕口の横の壁に上下互い違いにある開口は、「色紙窓(しきしまど)」です。
千利休を師とする、古田織部(ふるたおりべ)の創案とされています。
色紙窓とは、上下2段の窓で、2つの窓の中心がずれているのが特徴です。
こちらの色紙窓は、下地窓に片引きの紙貼り障子となっています。
色紙窓に合わせて、互い違いに竹を配したデザインがとても素敵でした。
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2016年07月06日
障子にも夏用がある―夏障子
こんにちは☆
谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
日中の暑さがこたえます( ;∀;)
ここ数日で、すっかり腕が黒くなりました。
お気に入りの着物屋さんのHPを覗くと、夏着物特集、浴衣特集のページが☆
今月末に明治・大正期の建築を探訪する予定なので、その時に着て行こうと夏着物を購入しました。
探訪が益々楽しみです♪
季節ごとの着物があって衣替えするのと同じように、日本建築にも季節に合わせて入替える部分があります。
それが、建具。
「障子」というと、和紙を張った「紙貼り障子」を連想することが多いと思いますが、夏用の障子「夏障子」というものがあります。
夏障子とは、すだれに編んだヨシ、ハギ、イヨ竹を格子の中に入れたものや、組子だけで出来た、風通しの良さを重視した建具です。
「簾戸(すど)」や「葦簀(よしず)」「よし」とも呼ばれます。

隙間からの風通しが良いので涼しく過ごせます。
夏障子越しに透けて見る庭も、風情があって素敵です☆
私は学生時代、昭和初期の中古住宅を友達とシェアして借りていました。
私の部屋は、縁側のある和室。建具は、ガラスの腰付格子。
冬場は、ガラスにペタペタと和紙を両面テープで貼って、夏場は簾を掛けて窓は開けっぱなし。
部屋には、クーラー・エアコンは無かったのですが、建具のちょこっと工夫だけで冬の寒さも、夏の暑さも凌いでいました。
私の建具DIYは、DIYともいえない位のちょこっと工夫ですが、それでも夏・冬の日本の建具効果を知るには充分すぎる体験でした。
因みに、夏障子はエアコンのように買い替えが必要なく(100年はもつと言われています)、電気代もかからない。
デメリットとしては、建具の収納場所が必要で、入れ替えという作業が必要になることでしょうか。
現在は、冷房が住宅に取り入れられてから、夏障子は見かけなくなってきました。
でも、ロハスな生活が見直されるようになり、最近では夏障子に注目する人も増えてきています。
機能性だけでなく、四季を楽しむ日本の心が表れているからかもしれません。
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日中の暑さがこたえます( ;∀;)
ここ数日で、すっかり腕が黒くなりました。
お気に入りの着物屋さんのHPを覗くと、夏着物特集、浴衣特集のページが☆
今月末に明治・大正期の建築を探訪する予定なので、その時に着て行こうと夏着物を購入しました。
探訪が益々楽しみです♪
季節ごとの着物があって衣替えするのと同じように、日本建築にも季節に合わせて入替える部分があります。
それが、建具。
「障子」というと、和紙を張った「紙貼り障子」を連想することが多いと思いますが、夏用の障子「夏障子」というものがあります。
夏障子とは、すだれに編んだヨシ、ハギ、イヨ竹を格子の中に入れたものや、組子だけで出来た、風通しの良さを重視した建具です。
「簾戸(すど)」や「葦簀(よしず)」「よし」とも呼ばれます。

隙間からの風通しが良いので涼しく過ごせます。
夏障子越しに透けて見る庭も、風情があって素敵です☆
私は学生時代、昭和初期の中古住宅を友達とシェアして借りていました。
私の部屋は、縁側のある和室。建具は、ガラスの腰付格子。
冬場は、ガラスにペタペタと和紙を両面テープで貼って、夏場は簾を掛けて窓は開けっぱなし。
部屋には、クーラー・エアコンは無かったのですが、建具のちょこっと工夫だけで冬の寒さも、夏の暑さも凌いでいました。
私の建具DIYは、DIYともいえない位のちょこっと工夫ですが、それでも夏・冬の日本の建具効果を知るには充分すぎる体験でした。
因みに、夏障子はエアコンのように買い替えが必要なく(100年はもつと言われています)、電気代もかからない。
デメリットとしては、建具の収納場所が必要で、入れ替えという作業が必要になることでしょうか。
現在は、冷房が住宅に取り入れられてから、夏障子は見かけなくなってきました。
でも、ロハスな生活が見直されるようになり、最近では夏障子に注目する人も増えてきています。
機能性だけでなく、四季を楽しむ日本の心が表れているからかもしれません。
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2016年06月14日
建具職人の造った建具-職人の想いと几帳面の語源
こんにちは☆
谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
建具職人の造った「腰付き障子戸」


両面に組子がある、裏表のないもので「両面組子」といいます。
この建具に使われているのは、高知産のヒノキ材柾目です。
建具職人が自ら高知に出向いて選んだもの。
障子は、樹脂障子で、アクリル板に和紙を貼付け、破れたり変色しないようにしています。
これを、「落とし込み」という、上から差し込んで框(かまち)に突いた小穴に沿って納める方法ではめ込んでいます。
落とし込みは、表面に余計な線を一切出さないので、とても美しい仕上がりになります。
一見すると普通の格子戸に見えますが、この建具には面取り、ほぞ加工、組手・継手などといった職人の手作業の技が沢山詰まっています。
特に、素木の建具の場合は、職人の仕事ぶりが顕著に表れます。
仕上げの鉋掛けは、こまめに鉋(かんな)の刃を研がないと良い切れ味が得られない為、仕上鉋には職人の建具づくりの姿勢がみられるんです。
また、建具に面を取るのは、部材の角の保護という機能的な理由からですが、その面取りはとても繊細な作業です。
例えば、糸面という面は、別名:鉋(かんな)面とも言われ、その名前の通り、ひと鉋(かんな)掛けした程度のごく細い幅の面を言います。
面の大きさや形状によって、建具の量感や質感がずいぶんと異なります。
ところで、この面の種類の中に「几帳面(きちょうめん)」という種類があります。
あれ?と思われた方、そうなんです!
「几帳面な性格だね~」の几帳面は、面取りの面の種類が語源になっています。
几帳面は、仕事が難しい面で、特に厳格さが必要とされる座敷などの建具に使われます。
古くは平安時代、几帳の柱に使われたことから、この呼び名になりました。
面白いことに、几帳面という面の種類は多く、一つではないんです。

確かに、職人さんの几帳面な仕事ぶりを見ると、言葉の語源になったのも頷けます。
お寺の住職も「この建具職人は、ホンマにええ仕事してくれたわ~」と建具を見ながらニコニコ仰っていました。
その技術もさることながら、職人の仕事にかける想いが伝わっていたんだと思います。
実は、この建具を造ってくださった職人さんは、高齢の為「この仕事が最後の仕事かもしれん」と仰っていました。
とても、寂しい限りです。
これからも、この職人さんのように思いを込めて丁寧に仕事をされる職人さんと一緒に
後継者の育成や技術を継承していける場を作っていきたいです。
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お読みいただき、有難うございます。
建具職人の造った「腰付き障子戸」

両面に組子がある、裏表のないもので「両面組子」といいます。
この建具に使われているのは、高知産のヒノキ材柾目です。
建具職人が自ら高知に出向いて選んだもの。
障子は、樹脂障子で、アクリル板に和紙を貼付け、破れたり変色しないようにしています。
これを、「落とし込み」という、上から差し込んで框(かまち)に突いた小穴に沿って納める方法ではめ込んでいます。
落とし込みは、表面に余計な線を一切出さないので、とても美しい仕上がりになります。
一見すると普通の格子戸に見えますが、この建具には面取り、ほぞ加工、組手・継手などといった職人の手作業の技が沢山詰まっています。
特に、素木の建具の場合は、職人の仕事ぶりが顕著に表れます。
仕上げの鉋掛けは、こまめに鉋(かんな)の刃を研がないと良い切れ味が得られない為、仕上鉋には職人の建具づくりの姿勢がみられるんです。
また、建具に面を取るのは、部材の角の保護という機能的な理由からですが、その面取りはとても繊細な作業です。
例えば、糸面という面は、別名:鉋(かんな)面とも言われ、その名前の通り、ひと鉋(かんな)掛けした程度のごく細い幅の面を言います。
面の大きさや形状によって、建具の量感や質感がずいぶんと異なります。
ところで、この面の種類の中に「几帳面(きちょうめん)」という種類があります。
あれ?と思われた方、そうなんです!
「几帳面な性格だね~」の几帳面は、面取りの面の種類が語源になっています。
几帳面は、仕事が難しい面で、特に厳格さが必要とされる座敷などの建具に使われます。
古くは平安時代、几帳の柱に使われたことから、この呼び名になりました。
面白いことに、几帳面という面の種類は多く、一つではないんです。

確かに、職人さんの几帳面な仕事ぶりを見ると、言葉の語源になったのも頷けます。
お寺の住職も「この建具職人は、ホンマにええ仕事してくれたわ~」と建具を見ながらニコニコ仰っていました。
その技術もさることながら、職人の仕事にかける想いが伝わっていたんだと思います。
実は、この建具を造ってくださった職人さんは、高齢の為「この仕事が最後の仕事かもしれん」と仰っていました。
とても、寂しい限りです。
これからも、この職人さんのように思いを込めて丁寧に仕事をされる職人さんと一緒に
後継者の育成や技術を継承していける場を作っていきたいです。
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㈲谷野設計
さぬき市大川町富田西2911-1
0879-43-6807
info@tanino-sekkei.co.jp
2016年03月30日
引き戸の引手を集めました
こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です。
お読みいただき、有難うございます(*^-^*)
古民家やお寺の探訪をしていると、これまで注目していなかったのに気になりだしたのが「引手」です。
引手とは、障子や襖などの引戸に着く、手掛けのことで、建具が手垢で汚れるのを防ぐために取り付けられますが、
目につきやすくて建具のアクセントにもなるため、デザイン的に凝ったものも沢山あるようです。
気になりだしてから集めた引手をいくつかご紹介☆






丸型・菱形・四角型が代表的ですが、実際に見たことはないのですが、他にも折松葉、月文字、香炉などの形もあります。
仕上げ方法によっても沢山の種類があるそうです。
これからも、変わった引手があれば、ご紹介していこうと思います☆
因みに、引手の元になった「釘隠し」については下の記事でご紹介しています(^^)
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お読みいただき、有難うございます(*^-^*)
古民家やお寺の探訪をしていると、これまで注目していなかったのに気になりだしたのが「引手」です。
引手とは、障子や襖などの引戸に着く、手掛けのことで、建具が手垢で汚れるのを防ぐために取り付けられますが、
目につきやすくて建具のアクセントにもなるため、デザイン的に凝ったものも沢山あるようです。
気になりだしてから集めた引手をいくつかご紹介☆



丸型・菱形・四角型が代表的ですが、実際に見たことはないのですが、他にも折松葉、月文字、香炉などの形もあります。
仕上げ方法によっても沢山の種類があるそうです。
これからも、変わった引手があれば、ご紹介していこうと思います☆
因みに、引手の元になった「釘隠し」については下の記事でご紹介しています(^^)
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2016年03月07日
腰付き障子・上げ下げ障子―讃州井筒屋敷の建具
こんにちは☆
さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の
工事も頼める設計屋さん
谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
日本の伝統的な建築の特徴的な部分の一つとして、「障子」があります。
古くは、襖や衝立も障子の一種として捉えられていました。
障子の歴史はこちらに簡単にご紹介しています
今回は、引田にある讃州井筒屋敷の紙貼障子を参考にご紹介したいと思います。

こちらの障子は、横組みの腰付き障子といいます。
横組みというのは、紙を貼る部分の木の組み方(組子)の組み方が、横方向に12等分、縦方向に4等分された、ひと桝を横長に組んだものを表します。
最も伝統的な形式で、素朴で落ち着いた雰囲気を与えます。
腰付き障子とは、腰(建築用語で下部を指します)に板や襖紙を貼った形状の障子です。
現在では珍しくなりましたが、戦前は障子といえば腰付き障子が一般的でした。
戦後に当たり前になった全面が和紙貼りの障子は、料亭や茶室といった特殊な建物で使用されていたのですが、
現在は立場が逆転し、腰付き障子の方が格式高くなりました。

こちらは、茶室にあった障子です。
先ほどと同じ、下の方に板を張った腰付き障子ですが、なんだか違和感がありますね。

これは、上げ下げ障子という種類の障子です。
その中でも、このように、上下の障子が固定され、一部分だけが上げ下げできる障子はとっても珍しいです。
現在は、障子を上げ下げしたり、横に開けられるようにした障子には、ガラスを入れたものが多いのですが、
こちらはガラスが入っていないもので、換気の役目と庭の一部を切り取って眺めるために作られました。
ガラスをはめ込んだ形状のものは、本来の換気の目的が薄くなり、外部を眺めるための障子として発達していきました。
ガラス入りの障子の総称を雪見(ゆきみ)障子と言いますが、その種類とガラスの入っていない上げ下げ障子が混同されて説明されているものを建具屋さんのHPなどでも良く見かけます。
古民家で上げ下げ障子や雪見障子といった凝った障子を入れたい!という時には、使いたい建具の誤解が起きないよう、古民家専門の谷野設計にご相談ください⭐️
お洒落で、部屋にあった機能性の障子をご提案します(^-^)
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お読みいただき、有難うございます。
日本の伝統的な建築の特徴的な部分の一つとして、「障子」があります。
古くは、襖や衝立も障子の一種として捉えられていました。
障子の歴史はこちらに簡単にご紹介しています
今回は、引田にある讃州井筒屋敷の紙貼障子を参考にご紹介したいと思います。
こちらの障子は、横組みの腰付き障子といいます。
横組みというのは、紙を貼る部分の木の組み方(組子)の組み方が、横方向に12等分、縦方向に4等分された、ひと桝を横長に組んだものを表します。
最も伝統的な形式で、素朴で落ち着いた雰囲気を与えます。
腰付き障子とは、腰(建築用語で下部を指します)に板や襖紙を貼った形状の障子です。
現在では珍しくなりましたが、戦前は障子といえば腰付き障子が一般的でした。
戦後に当たり前になった全面が和紙貼りの障子は、料亭や茶室といった特殊な建物で使用されていたのですが、
現在は立場が逆転し、腰付き障子の方が格式高くなりました。
こちらは、茶室にあった障子です。
先ほどと同じ、下の方に板を張った腰付き障子ですが、なんだか違和感がありますね。
これは、上げ下げ障子という種類の障子です。
その中でも、このように、上下の障子が固定され、一部分だけが上げ下げできる障子はとっても珍しいです。
現在は、障子を上げ下げしたり、横に開けられるようにした障子には、ガラスを入れたものが多いのですが、
こちらはガラスが入っていないもので、換気の役目と庭の一部を切り取って眺めるために作られました。
ガラスをはめ込んだ形状のものは、本来の換気の目的が薄くなり、外部を眺めるための障子として発達していきました。
ガラス入りの障子の総称を雪見(ゆきみ)障子と言いますが、その種類とガラスの入っていない上げ下げ障子が混同されて説明されているものを建具屋さんのHPなどでも良く見かけます。
古民家で上げ下げ障子や雪見障子といった凝った障子を入れたい!という時には、使いたい建具の誤解が起きないよう、古民家専門の谷野設計にご相談ください⭐️
お洒落で、部屋にあった機能性の障子をご提案します(^-^)
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古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
工事も頼める設計屋さん
㈲谷野設計
さぬき市大川町富田西2911-1
0879-43-6807
info@tanino-sekkei.co.jp
2016年03月05日
紙障子で断熱性アップ―冬を快適に過ごす障子の使い方
こんにちは☆
さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の
工事も頼める設計屋さん
谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
今回は、日本の伝統的な「障子」について。
障子は、機能面・技術面でもとても優れています。
古民家の欠点として「冬場が寒い」点はよく聞かれます。
高断熱が謳われる現在では障子のメリットはないように思われているのですが、そうではありません。
外部に面した窓の内側に障子を入れれば、断熱性は格段に増します。
窓と障子との間の空気層が、窓だけの時に比べ約3倍も断熱性を上げます。
「光は取り入れたいけれど、外から覗かれたくない」といった時にも障子が効果的です。

「障子」とは古くは、襖を「襖障子」、衝立を「衝立障子」と呼び、「障子」とは現在の「紙貼り障子」に限らず広い意味で使われていました。現在「障子」と呼んでいる紙貼りの障子は、平安時代後期に発生した「明り障子」が起源です。
建具の原型である蔀戸(しとみど)に代わり、採光を目的として採り入れられた障子は、書院造、数寄屋造りを経て、和紙の生産が伸びるとともに一般住宅へと普及しました。
(写真は、出雲大社拝殿の蔀戸。障子の外側に上に開けられている木の板のように見えるのが蔀戸です。)
障子は外国の方にも、日本の住宅の特徴として知られているようです。
それは、障子が日本人の建築観を表しているからかもしれません。
古来から日本人は自然と対立するのではなく、融和を大切にしてきました。開放的な建物が良いとされ、自然が取り込まれた生活を楽しんできました。
障子は、そんな日本人に「内に居ながら、外を感じることが出来る」画期的な建具だったんです。
古民家でも、障子の効果的な使い方で断熱性を上げることは可能です。
「機械的な断熱ではなく、自然と調和しながらより快適に冬を過ごしたい」
「大掛かりなリフォームをせずに、断熱性を上げたい」
とお考えの方には、ガラスと障子のダブル使いがお勧めです。
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今回は、日本の伝統的な「障子」について。
障子は、機能面・技術面でもとても優れています。
古民家の欠点として「冬場が寒い」点はよく聞かれます。
高断熱が謳われる現在では障子のメリットはないように思われているのですが、そうではありません。
外部に面した窓の内側に障子を入れれば、断熱性は格段に増します。
窓と障子との間の空気層が、窓だけの時に比べ約3倍も断熱性を上げます。
「光は取り入れたいけれど、外から覗かれたくない」といった時にも障子が効果的です。
「障子」とは古くは、襖を「襖障子」、衝立を「衝立障子」と呼び、「障子」とは現在の「紙貼り障子」に限らず広い意味で使われていました。現在「障子」と呼んでいる紙貼りの障子は、平安時代後期に発生した「明り障子」が起源です。
建具の原型である蔀戸(しとみど)に代わり、採光を目的として採り入れられた障子は、書院造、数寄屋造りを経て、和紙の生産が伸びるとともに一般住宅へと普及しました。
障子は外国の方にも、日本の住宅の特徴として知られているようです。
それは、障子が日本人の建築観を表しているからかもしれません。
古来から日本人は自然と対立するのではなく、融和を大切にしてきました。開放的な建物が良いとされ、自然が取り込まれた生活を楽しんできました。
障子は、そんな日本人に「内に居ながら、外を感じることが出来る」画期的な建具だったんです。
古民家でも、障子の効果的な使い方で断熱性を上げることは可能です。
「機械的な断熱ではなく、自然と調和しながらより快適に冬を過ごしたい」
「大掛かりなリフォームをせずに、断熱性を上げたい」
とお考えの方には、ガラスと障子のダブル使いがお勧めです。
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2016年02月16日
小泉八雲旧居(元は侍屋敷)で見た2つの床(とこ)-「行」と「草」
こんにちは☆
さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の
工事も頼める設計屋さん
谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
小泉八雲旧居で見た2つの床のご紹介☆
床の間は、格式によって「真(しん)」「行(ぎょう)」「草(そう)」の3つに大別できます。
書道でいうと「真」は楷書、「行」は行書、「草」は草書。硬・中・軟と言い換えると分かりやすいかもしれません。
基準については曖昧なところも多いのですが、おおよそ使用している木材や床構えによって分類できます。
↓こちらは、書斎にある「行」の床の間。
押入れの奥に床(とこ)と書院があります。
床脇を省略し、棚を書院に取り込んだ形ですね。
書院の縁側には火灯窓(かとうまど)があります。丸火灯という形状のものです。

↓は、書院側から広縁側の壁にある織部窓(おりべまど)を写したもの。掛け障子が掛けられています。
織部窓というのは、床の間の意匠と照明を兼ねた窓で、茶室、数寄屋普請の床の間の脇壁にある下地窓のことです。

↓は、広縁側から織部窓(おりべまど)を写したもの。この織部窓、ちょっと不思議な点がありまして、掛け障子は床の外側にあるのが一般的なのですが、こちらの床の間は掛け障子が内側にありました。

その織部窓の左官仕上げの部分が素晴らしかった☆
縁をハマグリの貝の合わせ口の先端部分のように紡錘形(ほうすいけい)に仕上げることを「蛤刃(はまぐりば)」といい、左官の仕事としてかなりの技術を要するものですが、とても綺麗な蛤刃でした!
2つ目の床の間は、限りなく簡略化された床の間で「草」に入ると思われます。

床の間の上部にある壁を「下がり壁」といい、その小壁を受け止める横木を「落とし掛け」といいます。
この落とし掛けは、戦国時代突然の敵の侵入に備えて武器として使うため、取り外し自由にしていたという説もあります。
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小泉八雲旧居で見た2つの床のご紹介☆
床の間は、格式によって「真(しん)」「行(ぎょう)」「草(そう)」の3つに大別できます。
書道でいうと「真」は楷書、「行」は行書、「草」は草書。硬・中・軟と言い換えると分かりやすいかもしれません。
基準については曖昧なところも多いのですが、おおよそ使用している木材や床構えによって分類できます。
↓こちらは、書斎にある「行」の床の間。
押入れの奥に床(とこ)と書院があります。
床脇を省略し、棚を書院に取り込んだ形ですね。
書院の縁側には火灯窓(かとうまど)があります。丸火灯という形状のものです。
↓は、書院側から広縁側の壁にある織部窓(おりべまど)を写したもの。掛け障子が掛けられています。
織部窓というのは、床の間の意匠と照明を兼ねた窓で、茶室、数寄屋普請の床の間の脇壁にある下地窓のことです。
↓は、広縁側から織部窓(おりべまど)を写したもの。この織部窓、ちょっと不思議な点がありまして、掛け障子は床の外側にあるのが一般的なのですが、こちらの床の間は掛け障子が内側にありました。
その織部窓の左官仕上げの部分が素晴らしかった☆
縁をハマグリの貝の合わせ口の先端部分のように紡錘形(ほうすいけい)に仕上げることを「蛤刃(はまぐりば)」といい、左官の仕事としてかなりの技術を要するものですが、とても綺麗な蛤刃でした!
2つ目の床の間は、限りなく簡略化された床の間で「草」に入ると思われます。
床の間の上部にある壁を「下がり壁」といい、その小壁を受け止める横木を「落とし掛け」といいます。
この落とし掛けは、戦国時代突然の敵の侵入に備えて武器として使うため、取り外し自由にしていたという説もあります。
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