2016年07月11日

敷地内に神社?!-渡部邸探訪① 神殿の構造

こんにちは☆
さぬき市の古民家専門店:谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


昨日探訪した三木町「渡邊邸」
敷地内に神社?!-渡部邸探訪① 神殿の構造


およそ300年ほど前の形をほぼそのまま残している旧家です。
古高松にあった豪農のお屋敷「揚邸」の茶室5室を現オーナーのお父様が移築されたのが50年前。

お茶室に伺う前に、敷地内にある鳥居が目に入りました。
敷地内に神社?!-渡部邸探訪① 神殿の構造

なんと!敷地内に神社?!
敷地内に神社?!-渡部邸探訪① 神殿の構造
神殿の隣には、地鎮様が祀られていました。
敷地内に神社?!-渡部邸探訪① 神殿の構造
お邪魔します<(_ _)>と 探訪のご挨拶をして、神殿を拝見。

建物は、「八幡造り」という神殿様式を模した構造です。
敷地内に神社?!-渡部邸探訪① 神殿の構造

「八幡造り」とは、切妻屋根が平入に(屋根の棟と入り口が平行になっているもの)2つ前後に連なり、中間に1間が付いた構造を言います。
正面から、前殿(まえどの)、相の間(あいのま)、後殿(うしろどの)と呼びます。

この神殿形式の特徴は、前殿、後殿が共に神座で、拝殿が無い所です。
こちらの神殿は、前殿の屋根は、入母屋(いりもや)になっています。

敷地内の神社の存在が気になって、オーナー様に伺ったところ、こちらの神社も「揚邸」からの移築だそうです。

屋根は、本瓦葺き で、2段の組棟(くみむね)。
敷地内に神社?!-渡部邸探訪① 神殿の構造

組棟の文様は、上段が輪違い紋様で、下段は十六菊紋様の瓦当(がとう)を埋め込んでいます。
輪違いの文様は、
でご紹介しています。
十六菊の文様は、平安時代から貴族の間で好まれ、邪気払いと長寿の願いが込められています。

敷地内に神社?!-渡部邸探訪① 神殿の構造

前殿の棟の鬼瓦の上には、鳥衾(とりぶすま)が☆
鬼瓦の上に突出した長く反った円筒形の瓦が、鳥衾(鳥伏間とも書きます)です。
火除けの願いを込めて水に関連した文様が描かれたものが多く、こちらは水が渦を巻いた「三つ巴(みつどもえ)」紋でした。

この鳥衾、江戸中期の図解辞典『和漢三才図会』によると
「鳥が常にここに休む」とあって、鳥休み とも呼ばれています。


こちらの神殿、巴瓦の文様や、後殿の屋根の妻下(つました)なども興味深いです☆

・・・と、長くなるので、今日はこの辺で(;´∀`)


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