2016年02月27日

古い日本建築は釘を使っていないのではないの?!ご質問頂きました☆

こんにちは☆
さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の
工事も頼める設計屋さん
谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


昨日のブログ「和釘(わくぎ)」のことでご質問を受けました。
「古い日本建築は、釘を使っていないと聞いたんですが、このお寺では使っていたんですか?」というご質問です。
ご質問、有難うございます(*^-^*)
古い日本建築は釘を使っていないのではないの?!ご質問頂きました☆

日本の伝統建築は、巧みな木組み構造の印象がとても強く、釘を使っていないという説明も良く見かけます。
「釘を用いていない」というのは、正確な説明ではないんです。。

7世紀後半に建てられた法隆寺金堂でも大量の釘を使用しています。
ただ、その釘は一見は見えないように気を配られていて、また釘無し部分と、釘有り部分の場所が使い分けられているんです。


建築物をできるだけ長く維持出来るように、日本の伝統建築は保存の観点から構造を2つに大別することが出来ます。
1つは、半永久的に保存する部分―基礎・建物の重要な柱や軸組など
もう一つは、保存部分を包むバリヤー部分―屋根や塗装膜、縁など
古い日本建築は釘を使っていないのではないの?!ご質問頂きました☆

屋根葺材や塗装などの表層部分は消耗品と捉え、短いサイクルで修繕を行い、重要な軸組などを守ります。
それでも、200~300年すると軸組にも、ゆるみや傾斜などが現れます。
その時には、一度解体して不具合な部分を修理し、また組み立て直す。精巧な継ぎ手や仕口といった木組みがそれを可能にしています。

解体し、組み直す際に容易で、且つ解体に伴う破損も最小限に抑えられるように、軸組みなどの構造上主要な場所では釘は不使用です。
釘の使用は、消耗品的扱いのバリヤー部分に限られます。


建物を長く持たせようとする先人の知恵が、釘の使用の仕方にも表れています。
それにしても、建物を建てるときに200年以上先(ここまで先と分かっていたかどうかは別として)のことまで想定していたなんて、
本当に素晴らしいなと感じます。

現在の日本の住宅寿命を考えると、先人の見習うべきことの多さに気づかされます。


************************
古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
工事も頼める設計屋さん
㈲谷野設計
さぬき市大川町富田西2911-1
0879-43-6807
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