2017年02月20日

本殿内部で江戸時代の装飾を堪能☆―善楽寺探訪3

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。



今日も、さぬき市大川町の『善楽寺(ぜんらくじ)』を引き続きご紹介します。

善楽寺は、真宗興正派のお寺。
大川町富田の地区(昔は富田郷と呼んだ)の真宗では一番古いお寺です。
ご住職のお話によると、開基は、室町時代の終わり頃(享禄3年)。約500年弱前だそうです。

現在の本堂は、明和元年(1764年)に建立された建物で、今年でちょうど253年!!

前回は、善楽寺さんの3つのそれぞれ異なる特徴を持つ蟇股をご紹介しました。

今回は、本殿内部をご紹介します。

本殿は、廻廊という外縁がコの字型にあり、内部は内陣と外陣・脇陣に分けられます。

外陣の部分に敷き詰められた畳は、以前畳の記事でご紹介した「不祝儀敷き」です。
本殿内部で江戸時代の装飾を堪能☆―善楽寺探訪3

畳縁もパシャリ☆
本殿内部で江戸時代の装飾を堪能☆―善楽寺探訪3

外陣の部分がとても広いです。これは、浄土真宗は御説教が主であるための本殿の特徴です。
写真では、右手の方が内陣側に当たります。
内陣と外陣の間は、柱、敷居などが黒漆塗りが施され、欄間も煌びやかな立体彫りの欄間。
天井近くは、極彩色の施された組み物や蟇股。江戸時代の寺社建築の特徴です。

本殿内部で江戸時代の装飾を堪能☆―善楽寺探訪3

斗栱(ときょう)は、二手先(ふたてさき)。(斗栱については、こちらの記事でご紹介しています。)

どの角度から見ても、とても綺麗な彩色。
本殿内部で江戸時代の装飾を堪能☆―善楽寺探訪3
こちらは、隅部。

天井部分は、格天井で格間には草花が一枚一枚描かれています。
本殿内部で江戸時代の装飾を堪能☆―善楽寺探訪3

内陣にも入らせてくださいました(*‘ω‘ *)
五十四、五年前に、内陣の御宮殿(おくうでん)を造りなおされたそうです。
50年以上経っているとは思えないほど、
 キラキラしていて、とても大切にされているのが伝わります。←54.5年前ではなくて、昭和57年が正しいです!!失礼しましたm(_ _)m

あまりに綺麗で、こちらは、実際にお寺に行って見てもらいたいです(^^)


内陣の柱の部分にも、とても凝った装飾が☆キラキラした御宮殿も少し写ってますね☆
本殿内部で江戸時代の装飾を堪能☆―善楽寺探訪3
こちらの柱の組み物は、唐様の組み方を用いていて、複雑で荘厳な雰囲気がありました。
一部だけ、透かし彫りの木鼻にしたりと、とても凝っています(*‘ω‘ *)
職人技にしばらく見惚れていました。


御宮殿のある内陣とその両脇の脇陣の間には、置き畳が。
置き畳の畳縁↓
本殿内部で江戸時代の装飾を堪能☆―善楽寺探訪3
大紋高麗縁です。


脇陣は、畳敷き。
脇陣の畳縁↓
本殿内部で江戸時代の装飾を堪能☆―善楽寺探訪3
紫端です。

内陣・脇陣・外陣で畳縁も使い分けられているんですね☆
(畳縁の模様については、こちらの記事でご紹介しています)

本殿内部で江戸時代の装飾を堪能☆―善楽寺探訪3
脇陣にも極彩色の絵様が施されています。
脇陣部分で興味深いのが、ここにも中央に出組、左右端にも斗があります。


江戸時代には、斗栱は構造材としてよりも、デザインの意味合いが強くなります。
威厳のある建物や、空間であることを示したりもします。

この脇陣も、「特別な空間ですよ」という意味合いを示しているのかもしれません。


善楽寺さんの探訪、次回は、庫裡をご紹介します

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この記事へのコメント
3回も続けて紹介頂きまして有難うございます。今回も色々と勉強になりました。次回は庫裏までも・・・(^^;;あと、本文の中の御宮殿のことですが、54,5年前ではなくて昭和54,5年頃に修繕しました。私の伝え方が悪かったかもしれませんが・・・。
Posted by ZEN at 2017年02月20日 20:58
ZENさん、お読み頂き、有難うございます!
庫裏と門もご紹介したいと思っています。
ご迷惑でなければ良いのですが…
御宮殿の件、大変失礼致しました!
訂正させて頂きます。有難うございますm(_ _)m
Posted by 谷野設計谷野設計 at 2017年02月20日 22:25
御宮殿の件ですが、こちらも勘違いしていました。昭和57年に新調したものと記録されてました。まだ綺麗なはずですね・・・。すいません。<(_ _)>
Posted by zen at 2017年02月21日 09:43
ご丁寧に、お調べ下さり、有難うございます!
再度訂正させて頂きます(^^)
Posted by 谷野設計谷野設計 at 2017年02月21日 13:55
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