2016年02月12日

伝統構法の耐震性能の素晴らしさ―耐震診断の測定結果

こんにちは☆お読みいただき、有難うございます。
さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の
工事も頼める設計屋さん
谷野設計の一級建築士・谷野行範です(^^)


年末に実施した古民家の耐震診断。
今回の古民家は約200年程前に建てられた、お寺の庫裏です。

当然ながら柱の下には、コンクリート製の基礎はなく、長石や石の上に直接柱を建ててあります。
いわゆる「伝統構法」で建てられた建物です。

現在一般的に行われている「耐震診断」は、コンクリート製の基礎の上に土台を敷き、その上に柱を立てる在来工法で建てた建物しか対応が出来ません。

今回行った耐震診断は、香川県で初めての試みとなる伝統構法に適した「動的耐震診断」を行いました。

敷地の微振動と建物の微振動を測定して、その建物の持つ固有振動を測定します。
その固有振動での特徴を解析して、建物の安全性のレベルを割り出します。

測定時には、床や天井また一部の土壁も壊して、ほとんど柱と一部の土壁の状態で測定しました。
地震への耐力を持つ土壁も壊してましたから、「測定結果は悪いだろう」と思っていたところ、
測定評価は「伝統構法本来の揺れを吸収する状態で、地震時の倒壊の恐れが少ない。」という結果に。
柱だけの状態で、この診断結果に驚きました。

日本古来からの知恵と技術の詰まった、伝統構法で建てられた建物の凄さに改めて感心しました。

もっとも、一部の柱の下には白蟻被害や外部に面した水がかりの柱は腐っていたので、柱の抜き換えや補強が必要です。


伝統構法本来の特性を生かして、構造的に補強を行い、更に現代の生活から将来まで長く愛される建物に生まれ変われる様に・・・

私の経験と職人の技を込めて、難しいけれども楽しい工事です。



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古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
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㈲谷野設計
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この記事へのコメント
こんばんは~♬

と云う事は固有振動数が分散されていたのですね?

言い換えますと外部応力が集中しないと云う事ですね!

所謂柔構造で外部応力をいなしているって事ですね!

日本の建築物の多くが現代に数多く残っている謎が解けましたね♪
Posted by 沼津の源さん沼津の源さん at 2016年02月13日 03:06
沼津の源さん、こんにちは☆
いつも読んでいただいて有難うございます♪

振動数の分散というと語弊があるのですが、おおよそ仰っている通りです。
大きな変異の振動でも木材が持つ復元力を生かせる構造体となっていたことが分かりました。

阪神淡路大震災でも、多くの伝統構法の建物が倒壊を免れたという事例が残っており、柔構造耐震性能が優れたものであることを物語っています。
Posted by 谷野設計谷野設計 at 2016年02月15日 10:52
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