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Posted by あしたさぬき.JP at

2016年01月08日

山田屋の奥座敷「床・床脇・書院」-うどんと屋敷を味わう

こんにちは☆
さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の
工事も頼める設計屋さん
谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


初詣は家族で牟礼の八栗さんに行きました。
参拝の後は、山田屋さんで初うどん(*'ω'*)

銘酒「源氏正宗」の酒造家のお屋敷であった建物は、国の重要文化財に指定されていて、うどんはもちろん建物の趣も楽しめます☆

今回は母屋の奥座敷に通されました。
この奥座敷は、お殿様をもてなしたこともあるそう。


昔のお屋敷の見どころが随所に沢山あります☆
今回は、奥座敷の床の間に注目しました。

書院造の床の間で、「床の間、床脇(とこわき)、書院」が揃った格式の高い床構えです。

配置で見ると、床に向かって左から「床脇・床・書院」の順に並んだ逆床(ぎゃくとこ)で、正式な形式の本床(ほんどこ)を反転させた配置になっています。

↑こちらは、床。
掛け軸が掛けられ、季節の花が室礼(しつらい)されていて、おもてなしの精神が表現されています。
室礼は、平安時代に生まれた言葉で、部屋をお客をもてなすために季節に合った空間に変える知恵なんですよ☆



↓こちらは、「床脇」。

床の脇にあることから、床脇とされていますが、床脇の発生は床の間とはもともと関係が無く、巻物や文具類を置く棚が本来の目的のため、書院との関係が深いものです。

床は、おもてなしの為の公共スペースなのに対して、床脇・書院はもともとは私室に作られた勉強(読書)をするプライベートスペースです。
桃山時代以降、その公私の区別がなくなり、現在のような床の間の形状が出来上がりました。

床脇の形状は沢山あるのですが、こちらの床脇は、地袋のない違い棚の形状。
上棚板の端にある跳ね上がった形状のものは、「筆返し」といい、棚に置いた巻物や筆が落ちるのを防ぐ役割と、板の反りを防ぐ役割があります。
時代と共にデザイン性の意味合いが強くなり多様な形状が出来ています。



床の横に見える陶器を飾っている縁側沿いの開口部が書院です。
書院の原型は出し文机で、造りつけの机を読書の場所として使用していました。
桃山時代以降に、床や脇床と近接して造られる座敷飾りの定番になりました。

こちらの書院は、床の間の壁部分まで取り込んで配置してある「取込書院(とりこみしょいん)」という形式です。
床の間内にも外の光を取り入れることができます。

欄間は一枚で、細かい装飾が施されていて、とてもきれいでした☆


重要文化財の建物の中で、おいしいうどんを食べられるなんてとても贅沢なことだなあ~と感じました(^^)
山田屋さんにお出かけの際は、是非古民家の趣も堪能してください☆



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古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
工事も頼める設計屋さん
㈲谷野設計
さぬき市大川町富田西2911-1
0879-43-6807
info@tanino-sekkei.co.jp  


Posted by 谷野設計 at 13:40Comments(2)日々のあれこれ古民家探訪床の間