2017年01月17日

酉年に便乗☆家に関わる鳥たち特集 第三弾! シャチの祖先が鳥?!

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


前回、前々回の記事と、家に関わる鳥をご紹介してきました☆




今回も、酉年に便乗シリーズ!第三弾!

「シャチの祖先が鳥?!」

家の部分でシャチといえば、屋根の鬼瓦の後ろ、棟の上にいます。
「鯱(しゃち)」です。
現在では、「鯱鉾(しゃちほこ)」と一般に呼ばれますね。

酉年に便乗☆家に関わる鳥たち特集 第三弾! シャチの祖先が鳥?!(写真は、松山城)

鯱(しゃち)は、桃山時代から城郭に多く採用されました。
城に初めて鯱(しゃち)を設けたのは、「織田信長」とされています。
因みに、城の屋根に瓦を用いたのも織田信長が最初。
織田信長が安土城の天守に鯱(しゃち)を乗せて以降、天守には鯱を乗せるのが慣例になりました。
穴太衆の石垣もそうですが、当時の織田信長の影響力は絶大だったことが、建物の歴史からも分かりますね☆

鯱は、水に縁のあることから、防火の願いや、干ばつで苦しまないようにという願いが込められていました。
加えて、魔よけもあったと考えられています。

次第に、戦国の世では、古代の武器の「鉾(ほこ)」を逆さにしたような形という連想から「鯱鉾(しゃちほこ)」と呼ばれるようになります。


その鯱の基になったと考えられているのが、「鴟尾(しび)」です。
鴟は、前回お伝えした「鳶(とび)」と同じ、「とび」を意味します。
漢字そのものだと、「トビの尾」
酉年に便乗☆家に関わる鳥たち特集 第三弾! シャチの祖先が鳥?!(平城京大極殿復元:棟の上に鴟尾)
酉年に便乗☆家に関わる鳥たち特集 第三弾! シャチの祖先が鳥?!(平城京朱雀門復元:同上)
平城京跡地探訪は、こちらの記事でご紹介しています。

「鴟尾(しび)」は、中国から飛鳥時代に日本に上陸します。
中国でも「「鴟尾(しび)」という名前がついていたようです。
起源については、鳥をかたどったから、という説と、インドから中国に伝わった怪魚がもとになったという説があります。

奈良時代には、貴族が履いた沓(くつ)に似せた形が多くなり、「沓形(くつがた)」と史料にも記述されています。
酉年に便乗☆家に関わる鳥たち特集 第三弾! シャチの祖先が鳥?!(大極殿内部に展示されている鴟尾)

現存している最古のものは、奈良の唐招提寺金堂の宝蔵で見ることができます。
奈良時代の創建当時のものが、平成の大修理が行われるまで、屋根の棟西側に乗っていました。
(東側の「鴟尾(しび)」は、鎌倉時代に造られたとされています。こちらも宝蔵に有ります。)


鴟尾を沓(くつ)と見るか、鳥とみるか、怪魚と見るか、それぞれの見方で見え方が変わるのも面白いですね☆

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工事も頼める設計屋さん
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