2016年08月15日

飛騨の匠の逸話―飛騨国分寺三重塔と銀杏の木

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。

飛騨の匠の逸話―飛騨国分寺三重塔と銀杏の木
飛騨国分寺の三重塔。
高山国分寺の三重塔は、組木がとても沢山使用されているので、とても豪華です。
飛騨の匠の逸話―飛騨国分寺三重塔と銀杏の木

この三重塔は昔は七重塔でした。

「飛騨の匠」というと、木工技術に優れた飛騨高山の名工たちの総称として使われていますが、本来は、「匠(たくみ)」という棟梁の名が由来です。
その棟梁が命(めい)を受けて七重塔を建造しました。

その時、四隅の柱の長さを間違え、短く切ってしまった為、寸法が足りなくなりました。
厳選した材木で同じものが揃わない状況の中、匠はずいぶんと悩んだそうです。
悩んでいる匠に知恵をかしたのが、娘の八重菊です。

匠は、八重菊のアドバイスにより、四隅に建てた柱の上に、丁度重なるように四角に組みあげた桝組を積み重ね、寸法の足りない部分を補ったといいます。
飛騨の匠の逸話―飛騨国分寺三重塔と銀杏の木

匠は、この積み重ねた部分を隠すために組木を沢山用いました。
飛騨の匠の逸話―飛騨国分寺三重塔と銀杏の木

組木と桝組の出来栄えが、匠の腕を世に知らしめる要因となりました。
それまで、都の造営に駆り出されていた飛騨の大工の技術力の高さもあり、いつしか「飛騨の匠」と美称されるようになったのです。


飛騨の匠は素晴らしい大工だ。飛騨の大工は腕が良いそんな噂が広まり、有名になればなるほど、飛騨の大工の名を売るために娘のアイデアで完成したことを隠そうとしました。
八重菊は、口封じに殺されてしまいます。
せめてものということで、国分寺の境内に埋められました。
その埋められた場所に植えられたのが、大イチョウです。
飛騨の匠の逸話―飛騨国分寺三重塔と銀杏の木

この大イチョウの大きさは日本一らしく、樹齢1200年を超えます。
飛騨の匠の逸話―飛騨国分寺三重塔と銀杏の木

この大イチョウには、八重菊を偲んで仏像が置かれました。
でも、古い仏像は、木に飲まれてしまったそうです。
現在は、石の台座は昔のまま、新しい仏像が置かれています。
飛騨の匠の逸話―飛騨国分寺三重塔と銀杏の木
大きい仏像とその両側に小ぶりの仏像の三体が置かれたそうですが、木の成長が早く現在の仏像も飲まれつつあるそう。
左側にあるはずの仏像は、ほとんど見えなくなってしまっていました。


因みに、現在の三重塔は、1821年(文政4年)に建てられたものです。棟梁は水間相模(みずま さがみ)。
建立当初の屋根は杮葺き(こけらぶき)でしたが、大正11年に桟瓦葺きとなり、昭和53年の修理で銅平板葺きとなりました。
飛騨地方では、唯一の寺院塔建築です。塔内には、金剛界・胎蔵界の大日如来(真言密教の教主)が安置されています。

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