2016年05月13日
明治時代の古民家(坂出)
こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
先週、耐震診断のお問合せを頂き、伺ったお宅。
母屋がとても素敵な建物だったので、写真を撮らせていただきました☆
とても歴史ある建物ですが、代々大切に受け継がれてきたんだなというのが、建物を見ると伝わってきます。
もう、見応えのありすぎる建物で、思い出しただけでも興奮が止まりません!(^^)!

屋根は、本瓦葺き(ほんかわらぶき)という、伝統的な瓦葺きで、一般住宅で残っているのは珍しい葺き方。
本瓦葺きとは、平瓦という1枚1枚成型して作る少し婉曲した瓦と、丸瓦という半円筒形の瓦を伏せて葺きます。
複雑な照りや反りを持つ、重厚な趣のある葺き方です。

そして、屋根の棟には、2段の組棟(くみむね)!
屋根の一番高いところに水平に渡っているところがそうです。
組棟とは、棟を高く作る時に出来る棟の大きな側面を飾る方法で、練込み瓦を組み込んだり、漆喰塗りで模様をつけたりすることを言います。
こちらの屋根の紋様は、上が鹿の子(目結)、下が輪違いの紋様です。
練込み瓦で幾何学模様が生まれ、こういった場所でも先人の遊び心が伝わってきます。
因みに、こうした連続した紋様は、古代中国から「寿命・幸運が尽きない」ことを象徴する吉祥文として盛んに用いられてきました。

2階屋根の軒下空間はすべて、防火や劣化防止のために漆喰塗りが施されています。
虫小窓もありますが、窓は塞がれているようです。

1階屋根の少し上に、青い模様の入った部分がありますね☆
これは、漆喰で紋様を彫った漆喰彫刻です。
左官職人の施主に対する感謝の意の表れのようです。繊細でとても素敵でした。
そして、鏝絵の少し下、模様の入った瓦が横に続いています。
こちらを見ても、とても手の込んだ建物ということが分かります。
通常は、壁側の瓦の納め部分は、漆喰で塗り固めることが多く、その際に使用する瓦は模様の入っていない平瓦です。
こちらのお宅では、模様の入った瓦を壁に沿って葺き、その上を漆喰できれいに塗ってあります。

2階の雨が落ちる部分は、瓦の上に漆喰塗りを施してあります。
鬼瓦の紋様は、雲形紋様に、丸橘(まるたちばな)。
日本の十大家紋の内の一つです。
元々は、元明天皇より賜った一代限りの氏が子が引き継いで名乗ったことで橘氏が成立しましたが、
家紋としての橘は、氏とは別に縁起の良い紋として用いられることが多くなりました。
こちらのお宅でも、強い生命力にあやかって橘の紋を用いたのかもしれません。


表門も本瓦の門です。
袖壁を設けた屋根付きの立派な門。
写真では影になって見えませんが、竜の彫刻の欄間がありました。

門の妻部分には、鶴の彫刻。
拝み巴の部分(屋根の瓦が合掌する部分)に天狗の装飾瓦。
そして、棟の鬼瓦には、雲形紋様の中央に打ち出の小槌。
魔よけと招福の願いが込められています。

巴瓦の瓦当の紋様は、三巴と菊が用いられていました。
こちらの菊文様、「十六菊」という紋様ですが、明治時代には皇室以外の使用が禁じられたこともある紋様。
こちらのお屋敷は、明治時代のものと伺ったのですが、菊紋が使用を禁止される前に建てられたものか、はたまた・・・(*'ω'*)
と、勝手な想像をして楽しんでいましたが、こちらのお宅のように大切に受け継いでいる建物はやっぱり素敵なオーラを発しているなぁ~と思いました。
大切に住んでくれている人がいるからこそ、建物も生き生きしていますね☆
************************
古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
工事も頼める設計屋さん
㈲谷野設計
さぬき市大川町富田西2911-1
0879-43-6807
info@tanino-sekkei.co.jp
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
先週、耐震診断のお問合せを頂き、伺ったお宅。
母屋がとても素敵な建物だったので、写真を撮らせていただきました☆
とても歴史ある建物ですが、代々大切に受け継がれてきたんだなというのが、建物を見ると伝わってきます。
もう、見応えのありすぎる建物で、思い出しただけでも興奮が止まりません!(^^)!
屋根は、本瓦葺き(ほんかわらぶき)という、伝統的な瓦葺きで、一般住宅で残っているのは珍しい葺き方。
本瓦葺きとは、平瓦という1枚1枚成型して作る少し婉曲した瓦と、丸瓦という半円筒形の瓦を伏せて葺きます。
複雑な照りや反りを持つ、重厚な趣のある葺き方です。
そして、屋根の棟には、2段の組棟(くみむね)!
屋根の一番高いところに水平に渡っているところがそうです。
組棟とは、棟を高く作る時に出来る棟の大きな側面を飾る方法で、練込み瓦を組み込んだり、漆喰塗りで模様をつけたりすることを言います。
こちらの屋根の紋様は、上が鹿の子(目結)、下が輪違いの紋様です。
練込み瓦で幾何学模様が生まれ、こういった場所でも先人の遊び心が伝わってきます。
因みに、こうした連続した紋様は、古代中国から「寿命・幸運が尽きない」ことを象徴する吉祥文として盛んに用いられてきました。
2階屋根の軒下空間はすべて、防火や劣化防止のために漆喰塗りが施されています。
虫小窓もありますが、窓は塞がれているようです。
1階屋根の少し上に、青い模様の入った部分がありますね☆
これは、漆喰で紋様を彫った漆喰彫刻です。
左官職人の施主に対する感謝の意の表れのようです。繊細でとても素敵でした。
そして、鏝絵の少し下、模様の入った瓦が横に続いています。
こちらを見ても、とても手の込んだ建物ということが分かります。
通常は、壁側の瓦の納め部分は、漆喰で塗り固めることが多く、その際に使用する瓦は模様の入っていない平瓦です。
こちらのお宅では、模様の入った瓦を壁に沿って葺き、その上を漆喰できれいに塗ってあります。
2階の雨が落ちる部分は、瓦の上に漆喰塗りを施してあります。
鬼瓦の紋様は、雲形紋様に、丸橘(まるたちばな)。
日本の十大家紋の内の一つです。
元々は、元明天皇より賜った一代限りの氏が子が引き継いで名乗ったことで橘氏が成立しましたが、
家紋としての橘は、氏とは別に縁起の良い紋として用いられることが多くなりました。
こちらのお宅でも、強い生命力にあやかって橘の紋を用いたのかもしれません。
表門も本瓦の門です。
袖壁を設けた屋根付きの立派な門。
写真では影になって見えませんが、竜の彫刻の欄間がありました。
門の妻部分には、鶴の彫刻。
拝み巴の部分(屋根の瓦が合掌する部分)に天狗の装飾瓦。
そして、棟の鬼瓦には、雲形紋様の中央に打ち出の小槌。
魔よけと招福の願いが込められています。
巴瓦の瓦当の紋様は、三巴と菊が用いられていました。
こちらの菊文様、「十六菊」という紋様ですが、明治時代には皇室以外の使用が禁じられたこともある紋様。
こちらのお屋敷は、明治時代のものと伺ったのですが、菊紋が使用を禁止される前に建てられたものか、はたまた・・・(*'ω'*)
と、勝手な想像をして楽しんでいましたが、こちらのお宅のように大切に受け継いでいる建物はやっぱり素敵なオーラを発しているなぁ~と思いました。
大切に住んでくれている人がいるからこそ、建物も生き生きしていますね☆
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古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
工事も頼める設計屋さん
㈲谷野設計
さぬき市大川町富田西2911-1
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