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Posted by あしたさぬき.JP at

2017年02月28日

春先から盛夏までが寒さ対策に最適な時期?!

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


今日はポカポカ陽気ですね(^^)
近所で梅の花がとってもきれいに咲いているのを見ると、春の気配を感じます☆

今日は、セミナーのお知らせがあります。
古い家にお住まいの方から多く寄せられるご相談が、
◎古い家は寒い
◎窓周りからの隙間風が・・・
◎床が冷たくて底冷えする

といった、家の寒さに対するご相談です。

今回は、そんな古い家の寒さ対策についての勉強会です。

暖かくなってきたのに、寒さについて??
と思われるかもしれませんが、実は、春から盛夏までに寒さ対策をしておくことで、次の冬は快適に過ごせます。

気候が温暖で、天候も比較的安定しているこれからの時期は、断熱リフォームをするにも、最適な時期です。

「この冬は、何とか乗り切ったけど」という方は、来年同じ様に我慢しなくてよいように、この時期にしっかり寒さ対策をしておくことがお勧めです。

セミナーは、2017年3月20日 10:30~11:30
さぬき市の造田ふれあいプラザにて行います。



お問い合わせ、ご予約は、0879-43-6807まで。

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古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
工事も頼める設計屋さん
㈲谷野設計
さぬき市大川町富田西2911-1
0879-43-6807
info@tanino-sekkei.co.jp
  


Posted by 谷野設計 at 16:43Comments(0)お知らせ

2017年02月23日

屋根の上でサーフィンする兎、見ぃつけた☆この門、ただもんじゃない!(善楽寺探訪5)

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


今日も、さぬき市大川町の『善楽寺(ぜんらくじ)』を引き続きご紹介します。

善楽寺は、真宗興正派のお寺。
大川町富田の地区(昔は富田郷と呼んだ)の真宗では一番古いお寺です。
ご住職のお話によると、開基は、室町時代の終わり頃(享禄3年)。約500年弱前だそうです。

現在の本堂は、明和元年(1764年)に建立された建物で、今年でちょうど253年!!

前回は、善楽寺さんのお座敷で拝見した、組子欄間や、ガラス戸、畳縁など、トキメイタものをご紹介しました☆

今回は、とっても魅力的なお寺の門をご紹介します(*‘ω‘ *)


お寺の門は、両袖に潜り戸を設けた薬医門(やくいもん)です。

門の4隅の留蓋瓦は、それぞれ立浪の上に兎が乗っていました☆


サーファーうさぎです(*'ω'*)♪

この兎と海?!なんの関係が???と思われると思いますが、実は、兎は防火のおまじないとして瓦に使われているんです☆
兎がなんで、防火に関係しているかというと、昔から太陽に対して、月は水を象徴するものとされてきました。
そして、月といえば兎が住んでいると思われていたため、ウサギ=水の象徴になったんです。

波乗りウサギは、水のパワーを存分に発揮している、念には念をの火除けのおまじないですね!
(その他のおまじないは、こちらの記事で☆)


棟の部分は、輪違い(下側)と、松皮菱(まつかわびし:上側)の組棟
棟の両端には、鯱(しゃちほこ)が乗っています。
鯱(しゃちほこ)とそのルーツは、下の記事でご紹介しています。





下がり棟の両側と下がり鬼には、同じ菊紋様が入っています。
この門、かなりの職人さんのこだわりが見えます(*‘ω‘ *)!


屋根の妻を見たところ。
懸魚の奥に見える、大きくて丸い柱は、大瓶束。
大きいビンの束と書いて、「たいへいづか」と読みます。
大瓶束は、蟇股と同じ役割で、梁の上にあって上部の重みを支えます。
そして、時代を経るにしたがって、これまた蟇股と同様に装飾性が重視されるようになります。



大瓶束の両側に大渦の紋様があります。
この部分は、笈型(おいがた)と呼ばれます。

大瓶束の下部で、梁にかかっている部分は、結綿(ゆいわた)と言います。

結綿にも彫刻が彫られています。割と控えめな彫刻。


この門、明治時代に出来たらしいのですが、

笈型の部分の彫刻、どっかで見た気がするなぁ~と思ったら、江戸時代後期の大工さんが残した絵集の中の図案に似ている(゜o゜)

似ているなぁ~と思った絵集の発行の年を見てみたら、「明和8年(1771年)」☆
善楽寺さんの本堂が建立された時代と同じ(´▽`)♪

江戸時代に多く出版された絵集などの図案を元に彫刻されたにしても、すごい偶然!
門には、他にも沢山の彫刻が見られたので、他の彫刻も詳しく調べてみたいです☆


そして、善楽寺さんで見てほしい彫刻があるんですが、それは写真は載せないでおきます(^^)
その彫刻は、門を入る時では無くて、出るときにしか見られない彫刻。

是非、善楽寺さんで直接見てほしいと思います(^^)


善楽寺さん、5回にわたってご紹介しましたが、まだまだご紹介仕切れていないことが沢山
ちょこちょこ追加でご紹介出来たらと思います。


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2017年02月21日

日本のお座敷は美しいー善楽寺探訪4

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます


今日も、さぬき市大川町の『善楽寺(ぜんらくじ)』を引き続きご紹介します。

善楽寺は、真宗興正派のお寺。
大川町富田の地区(昔は富田郷と呼んだ)の真宗では一番古いお寺です。
ご住職のお話によると、開基は、室町時代の終わり頃(享禄3年)。約500年弱前だそうです。

現在の本堂は、明和元年(1764年)に建立された建物で、今年でちょうど253年!!

前回は、江戸時代の寺社建築の特徴が見られる彫刻など、本殿内部をご紹介しました☆


今回は、庫裡(くり)をご案内いただいた際に、私がときめいたものをご紹介します(*‘ω‘ *)


こちらは、お寺で「書院」と呼ばれているお座敷。
左から、脇床(わきどこ)・床(とこ)・書院と並んでいます。
書院は、床の間に取り込まれた取込付け書院の形式です。
書院窓から取り込まれた光のつくる陰影がとても綺麗です(´▽`)

書院欄間は、桝格子に井桁の組子。(組子というのは、とってもざっくり言うと、戸に入った色んな模様の枠です)
書院窓は、縦繁(たてしげ)という組子の縦の材(竪子:たてこ)を狭い感覚で組んだもので、書院に多く用いられる組子の種類です。
こちらの縦繁の中でも、竪子の本数の多い「柳(やなぎ)」と呼ばれるものです。(短冊と呼んだりもします)

畳床の畳縁

七宝花角の紋様です。


お座敷の畳縁↓

亀甲に折り鶴☆
畳縁だけ見ると、とても大胆な柄ですが、室内全体で見るとさりげないアクセント。
お座敷とのバランスが絶妙で、とっても参考になりました☆


こちらは、綺麗なガラス戸☆
上部は、変わり組子。

上の写真は、変わり組子の角の一部を撮ったものです。
細かく切れ目を入れて、部材に丸みを持たせているのが良く分かります。

こういったガラス戸にも、障子や格子戸などの組子技術が受け継がれていて、日本のガラス戸の種類は、障子の組子種類が基になっているんです。
その為、昭和中期くらいまでのガラス戸には、日本独特のガラス戸のデザインが多いんですね☆
現在は、そのデザイン性が珍しく、日本人だけじゃなく、海外の方もレトロなガラス戸のコレクターが多いです☆


大量生産できる建具に押され、組子技術を持った職人も減少してきましたが、伝統技術を持った職人を絶やさない為の努力を、
建築に関わる者全体で考えて行かなくちゃいけないなぁ~と、ご住職に庫裡をご案内いただき、お話しながら思いました。


次回は、善楽寺さんの探訪で、どこから見ても大興奮☆ワクワクが止まらない門をご紹介します☆
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2017年02月20日

本殿内部で江戸時代の装飾を堪能☆―善楽寺探訪3

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。



今日も、さぬき市大川町の『善楽寺(ぜんらくじ)』を引き続きご紹介します。

善楽寺は、真宗興正派のお寺。
大川町富田の地区(昔は富田郷と呼んだ)の真宗では一番古いお寺です。
ご住職のお話によると、開基は、室町時代の終わり頃(享禄3年)。約500年弱前だそうです。

現在の本堂は、明和元年(1764年)に建立された建物で、今年でちょうど253年!!

前回は、善楽寺さんの3つのそれぞれ異なる特徴を持つ蟇股をご紹介しました。

今回は、本殿内部をご紹介します。

本殿は、廻廊という外縁がコの字型にあり、内部は内陣と外陣・脇陣に分けられます。

外陣の部分に敷き詰められた畳は、以前畳の記事でご紹介した「不祝儀敷き」です。


畳縁もパシャリ☆


外陣の部分がとても広いです。これは、浄土真宗は御説教が主であるための本殿の特徴です。
写真では、右手の方が内陣側に当たります。
内陣と外陣の間は、柱、敷居などが黒漆塗りが施され、欄間も煌びやかな立体彫りの欄間。
天井近くは、極彩色の施された組み物や蟇股。江戸時代の寺社建築の特徴です。



斗栱(ときょう)は、二手先(ふたてさき)。(斗栱については、こちらの記事でご紹介しています。)

どの角度から見ても、とても綺麗な彩色。

こちらは、隅部。

天井部分は、格天井で格間には草花が一枚一枚描かれています。


内陣にも入らせてくださいました(*‘ω‘ *)
五十四、五年前に、内陣の御宮殿(おくうでん)を造りなおされたそうです。
50年以上経っているとは思えないほど、
 キラキラしていて、とても大切にされているのが伝わります。←54.5年前ではなくて、昭和57年が正しいです!!失礼しましたm(_ _)m

あまりに綺麗で、こちらは、実際にお寺に行って見てもらいたいです(^^)


内陣の柱の部分にも、とても凝った装飾が☆キラキラした御宮殿も少し写ってますね☆

こちらの柱の組み物は、唐様の組み方を用いていて、複雑で荘厳な雰囲気がありました。
一部だけ、透かし彫りの木鼻にしたりと、とても凝っています(*‘ω‘ *)
職人技にしばらく見惚れていました。


御宮殿のある内陣とその両脇の脇陣の間には、置き畳が。
置き畳の畳縁↓

大紋高麗縁です。


脇陣は、畳敷き。
脇陣の畳縁↓

紫端です。

内陣・脇陣・外陣で畳縁も使い分けられているんですね☆
(畳縁の模様については、こちらの記事でご紹介しています)


脇陣にも極彩色の絵様が施されています。
脇陣部分で興味深いのが、ここにも中央に出組、左右端にも斗があります。


江戸時代には、斗栱は構造材としてよりも、デザインの意味合いが強くなります。
威厳のある建物や、空間であることを示したりもします。

この脇陣も、「特別な空間ですよ」という意味合いを示しているのかもしれません。


善楽寺さんの探訪、次回は、庫裡をご紹介します

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Posted by 谷野設計 at 17:40Comments(4)お寺の探訪記建築用語天井

2017年02月16日

リラックス蛙と、直立の起立蛙と、畏まり蛙―三種三様の蛙たち(善楽寺探訪2)

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。



今日は、さぬき市大川町の『善楽寺(ぜんらくじ)』を引き続きご紹介します。

善楽寺は、真宗興正派のお寺。
大川町富田の地区(昔は富田郷と呼んだ)の真宗では一番古いお寺です。
ご住職のお話によると、開基は、室町時代の終わり頃(享禄3年)。約500年弱前だそうです。

現在の本堂は、明和元年(1764年)に建立された建物で、今年でちょうど253年!!

昨日は、善楽寺の屋根や瓦などをご紹介しました☆


今日は、本堂の向拝部分の3つの蟇股をご紹介します。


蟇股は、奈良時代から存在して、時代を経るにしたがって、装飾が多様になり、形も変化しているので時代を読み解くのにも使われます。

善楽寺さんで見た、3つの蟇股、とっても面白いんです(*‘ω‘ *)♪

本堂正面の虹梁の中央にある蟇股↓

蟇股の脚の部分(カエルが足を広げていると思って見てください。左右にぴろ~んと伸びている部分が、蟇股の脚と呼ばれる部分です)が、
横に広がって伸びています。だいぶリラックスした状態のカエルさん。
このリラックス蛙の脚の形は、室町時代以降に出てきて、江戸時代中期以降に多く見られます。
脚の上部の耳のように外にピョンと出ている部分は、「肩」と呼ばれます。肩の部分と、脚の先は雲の紋様。
脚の内部は、シンプルな透かし彫りです。


そして、上の蟇股の両サイドにある蟇股がこちら↓

キタ━(゚∀゚)━!
この蟇股を見た瞬間、私の興奮度が急上昇☆
この蟇股の形状、元祖蟇股の形状から蟇股への偏移を彷彿とさせるものなんです!
蟇股は、そもそも上下の水平な木材を斗と一体となって支える為の構造材だったんです。
その元祖蟇股は、「人字形割束」という文字通り、『人」の字の形をした束と思われます。
(別の見解もあるので、あくまで私の見解です。)

ここからは、ちょっと分かりづらいので、お粗末ながらスケッチで。

一番左のものが、人字形割束です。
法隆寺金堂の高欄部分に見られます。法隆寺では、高欄以外の部分に一番右の蟇股も見られます。
法隆寺が火災にあった後、奈良時代初期に再建された際の影響だと思います。

中央のものは、束と併用された蟇股で、とても珍しいもの。唐招提寺の講堂に見られます。

そして、奈良時代一般的だったのが、一番右の初期蟇股です。
この頃は、まだ構造材としての役割が大きかった蟇股は、装飾性が乏しく、カエルっぽくありません。

平安時代後期になると、カエルに似た形になってきます。

・・・いっぱい、話がそれてしまう(;´∀`)

善楽寺さんの蟇股、この人字形割束に似てませんか?!
人字形割束とは、構成が違うのですが、蟇股と束の中間のような形状。
そして、装飾も抑えたシンプルな形。
そしてそして、リラックス蛙と真反対の、起立!状態の脚☆
時代的に見ると、善楽寺さんの創建時の蟇股の発展の逆を行ってる感じなんです。
なんと!面白い!!


そして、もう一つの蟇股↓

この蟇股は、向拝の柱と本殿の柱の間の虹梁部分です。(さっきの虹梁と直角の位置にあるもの)
こちらの蟇股は、畏まってる脚。
最初にご紹介した蟇股に比べて、脚の広がりが少ないですね。
これは、江戸初期までの蟇股に多い形で、室町時代に多く見られます。
こちらも蟇股も彫刻がシンプル☆

ちなみに、写真を見返していて気づいたんですが、この写真で左右の位置にある肘木も面白い特徴が!
写真左手の肘木は、和様の特徴が見られるんですが、左側は、禅宗様の特徴が見られるんです。


お寺が建立された明和元年は、江戸時代後期に当たりますが、こちらのお寺は、その頃の蟇股に比べてかなり古い蟇股の手法を取り入れていました。
大工さんが、かなりの旧建築オタクだったんでしょうか。
それとも、他で使われていた旧建築の材を転用して作ったのでしょうか。


ムムム、かなり面白い歴史物語がありそうな建物です☆

次回は、本堂内部をレポートします(*'ω'*)

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2017年02月14日

屋根の瓦にもお寺の歴史と職人―大川町で一番古い真宗のお寺「善楽寺」

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


前回は、小豆島の佃煮屋さんを改修したお店『森國酒造』をご紹介しました


今日は、昨日予告していた、さぬき市大川町の『善楽寺(ぜんらくじ)』をご紹介します。



善楽寺は、真宗興正派のお寺。
大川町富田の地区(昔は富田郷と呼んだ)の真宗では一番古いお寺です。
ご住職のお話によると、開基は、室町時代の終わり頃(享禄3年)。約500年弱前だそうです。

現在の本堂は、明和元年(1764年)に建立された建物で、今年でちょうど253年!!(*‘ω‘ *)ワクワク♪

今回の探訪でも、沢山ご紹介したい部分があるので、今回は本堂の外回りをご紹介します。
(私の探訪時の悪い癖で、本堂全体を撮り忘れたので、全体は、改めて写真を撮りに行かせてもらいます)

まずは、屋根に注目☆
本堂の屋根は、平成元年に葺き直されたそうです。
瓦は、愛媛県の今治市菊間地区で造られている「菊間瓦」
菊間瓦には、さぬき土が6割も配合されているんです。なんか嬉しい☆


大棟部分の水板瓦は、葺き替えの際に一度下して焼き直したものだそうです。
水板瓦というのは、模様の入った板状の瓦を棟に垂直に並べたものです。
一枚一枚に付けられた立体の模様が、並べてはじめて一枚の大きな模様になるんです。
瓦職人の腕の見せ所☆

焼き直して再利用できるというもの、瓦の魅力ですね。


 
下り棟の瓦や、軒瓦などには、善楽寺の寺紋である「上がり藤に一」の紋様。


屋根の上でちょこんと見張っている獅子はちょっと可愛かったです。


本堂屋根を妻側から写した写真が上です。
鬼瓦は、平成の葺き替えの際には変えていないので、他の部分と瓦の色が違って見えますね。
この角度から見ると、恐い鬼に見えます。これも、瓦職人のすごいところ。見る角度によって、鬼の表情が違うんです。
屋根にのせた時の鬼を考えながら、作っているんですね。もはや芸術!

妻部分の懸魚は塗り替えられていて、美しい。




お寺さんの本堂外回りには、昔屋根に使われていた瓦などを大切に置いてあるお寺も多いです。
善楽寺さんでも、吹き替え前に使われていた鬼瓦などがありました。
鬼瓦は、何度か記事にもしていますが、本当に瓦によって(職人によって)表情が全然違くて面白いです。



本堂の縁下には、板瓦に修繕の記録が残されていました。
瓦の左上の方に、職人が残したであろうサイン?が微かに見えました。


木鼻の龍と獅子。この龍は雄ですね☆(雄雌の見分け方はこちらの記事でご紹介しています)


こちらは、桁隠し。
繊細な彫刻の桁隠しです。
こんな綺麗で繊細な桁隠しは、あまり見たことがありません(*‘ω‘ *)
見た感じ、建立当時(もしかしたら、それ以前のものを使っているかも)のもののようです。建立当時は、鮮やかな朱彩色が施されていたようです。


そして、虹梁の蟇股(蟇股と虹梁、徳勝寺の記事内でちょっと詳しくご紹介しています)




今回の探訪で、いくつか私の興奮ポイントがあったんですが、その一つ目が、蟇股でした。
何がって、ちょっとあまりに興奮して、記事が長くなりそうなので、次回は善楽寺の蟇股を詳しくご紹介したいと思います(*'ω'*)


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Posted by 谷野設計 at 17:10Comments(0)お寺の探訪記屋根

2017年02月13日

酒と私と古民家と―佃煮屋さんを改修した森國酒造さんに行ってきました☆

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


今日は、さぬき市大川町の「善楽寺(ぜんらくじ)」さんに探訪に伺いました☆
ご住職のご厚意で、本堂内部や、鐘楼、庫裡のお座敷など、沢山見せて頂けてとても有難い(*‘ω‘ *)
善楽寺さんの探訪の記事も作成中ですので、お楽しみに☆


前回の記事では、「様子を見てあげないと痩せすぎちゃう家の上の土」をご紹介しました。

今回は、昨日小豆島での打ち合わせが終わった後に伺った『森國酒造』さんをご紹介します☆


小豆島の唯一の酒蔵である『森國酒造』さん。
実は、数年前に小豆島を旅行した際に一度お伺いしています。
あまりにお店の雰囲気の良さと、お酒のおいしさが忘れられず、また来たい!と思っていたのが叶いました☆

入口に「酒粕できました」の表示が(*‘ω‘ *)
タイミングもばっちり☆


森國酒造さんの前の細い道(旧道)は、酒樽を模った番地表示を沢山見かけました。


もともと佃煮屋だった建物を改修している店内は、木の素朴な温もりを感じられてとっても落ち着きます☆
地酒を飾っているのは、佃煮を造る際に使っていた箱を再利用したものだそう。
店内には、カフェスペースもあります。
右の壁に掛けられているのは、枡を使った飾り棚。
おちょこ等が飾ってあります(*'ω'*)
建具も古いものをそのまま使っていて、味がある!
変り組子という、組子を不規則に配置して組んだ建具です。
独特のデザインでバリエーションはとっても豊富。
障子やガラスの入ったものもありますが、このように透かしになっているものは、欄間や間仕切り部分の一部にデザインとして取り入れられます。
瓦に使われていたであろう「瓦当(がとう)が飾ってありました。
お店の奥には、お酒の他、オリジナルの桝や、おちょこ、徳利が売っています。
どれも可愛い!
前回は、利き酒セットという4種類のお酒を楽しめるセットと桝を買ったのですが、今回は冬季限定という徳利に入ったお酒を購入しました(´▽`)♪

袖壁にある開口部は丸形の下地窓。
左官壁には和紙が貼られています。

小屋裏にあたる2階に上がると、古民具などが展示してあります。
ほんの一部ですが、↓



着物を着たビンも(´▽`)


お店の雰囲気を味わいながら、甘酒の抹茶ラテを頂きました♪
と~っても美味!!
甘酒にちゃんと酒粕の風味があって、ラテになっているのでとってもクリーミー☆


帰りには体がポカポカしてきました。

森國酒造さん、お酒もスタッフの方々もお店の雰囲気もとっても良いので、小豆島に行かれた際は是非地酒を楽しんできてください。
古民家で味わうのは格別です(*'ω'*)



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Posted by 谷野設計 at 18:09Comments(0)古民家探訪

2017年02月09日

様子を見てあげないと痩せすぎちゃう「家の上にある土」

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。



ブログの瓦版を作りながら、どう書いたら分かりやすいかなぁ~と試行錯誤しています。
伝えるって難しいなぁ~と思う反面、色々試すのは楽しいです(*'ω'*)

前回はについて書きました。

今日は、古いお家で瓦を取った後に見えた葺き土(ふきつち)について書きたいと思います。

瓦の下に土があるというのは、古いお家でないと見かけなくなりました。
土があっても、瓦で見えないので、知らない方も多いようです。


この土、何のためにあるの?というと、瓦の固定のために使う接着剤の役割をしています。
土の断熱効果があり、重さがあるので台風時などに瓦が飛ぶのを防いだり、地震の際に土+瓦の重みで上下の揺れを軽減したり、瓦が振るい落されることで倒壊を防ぐといったメリットがあります。

ただ、年月が経つにつれ、土が痩せてくると、接着剤の役割が薄れてしまいます。
その為に、建てたままの屋根の状態で放っておくと、台風で瓦が飛んでしまったり、瓦がズレて雨漏りをしたり、といった事が起きてしまいます。

また、この土葺きの方法は、古い木造の家の様に、柱や梁などの家を支える構造体が重みに耐えられるだけのしっかりした材料と造りでないと、反対に地震の際にデメリットになってしまいます。


土葺きの屋根はメリットを損なわない為には、定期的なメンテナンスが大切になります。

でも、メンテナンスといってもなかなか難しい、と思われる方も多いと思います。
その場合は、土を使わない瓦の葺き方に変更するのも一つの方法です。

現在は、土を使わずに葺く工法が一般的になりました。
屋根の大幅な軽量にもつながり、落ちにくいというメリットもあります。

ただ、古い木造の場合、地震に対する建物の構造が違うので、建物全体の揺れ方を検証することも必要です。
一般の耐震診断や耐震計算では、古い木造の特性が測れないので、古民家や伝統構法、石場建てなどに詳しい専門家に相談する方が安心です。


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Posted by 谷野設計 at 16:47Comments(0)工事の様子屋根

2017年02月07日

礼を重んじる日本の風習とサムライが身を守るため?!畳の縁を踏んじゃダメな訳

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


昨日は、耐震性に対しての弊社の想いを書きました。
まだ、耐震診断や耐震改修など、悩んでいる人がいたら是非補助金があることも伝えてあげてください。


今日は、畳縁(たたみべり)について書きたいと思います。

畳縁のカタログが届いたときにも少し触れましたが、今は、畳縁にも沢山の種類があって、和室のアクセントとして取り入れるのもオシャレです☆
自由に畳縁を選べるというのは、昔の人からしたら、とても羨ましいことかもしれません。


「畳の縁を踏んだらダメ」と聞いたことがある方は多いと思います。
畳の生活が当たり前だったころは、家庭で教わったりしましたが、フローリングの家が多くなった現在は知らない方もいるかもしれませんね。


じゃあ、なんで畳の縁を踏んだらいけないの?
というと、畳の縁が自由に選べなかった事とも関係があります。


平安時代、畳(部屋の一部に置く形の置き畳)を使えたのは、身分の高い貴族でした。
貴族の中でも身分の階級があったので、畳の縁は身分を表すものとしての意味もありました。
着るものの色などが身分ごとに決められていたのと同じですね。

平安貴族が、いかに身分にこだわっていたかが良く分かります。
「堤中納言物語」の中には、「高麗はし」「錦はし」「紫はし」と畳縁のことが書かれています。
縁を「はし」と呼んでいました。


書院造によって畳が武家に普及すると、畳縁の使用が制限されます。
「海人藻芥(あまのもくず)」に身分や位ごとに書かれています。

天皇や上皇、神仏には「繧繝縁(うんげんべり)」
カラフルな縞に紋様が入ったものです。

繧繝縁(うんげんべり)、身近なところだと雛飾りに使われているのが一番分かりやすいかもしれません。
お雛さんの座っている畳の縁が繧繝縁です。



親王や大臣には「雲や菊の大紋」か「大紋高麗縁(だいもんこうらいべり)」
高麗縁は、白と黒で編んだ織物です。


公卿は「小紋高麗縁(こもんこうらいべり)」


五位以上は「柴端」


六位侍は「黄端」


など決められていました。


また、家紋を入れた「紋縁」の畳みを使用する寺社・仏閣や武家が表れ、畳縁は「家・家系」を象徴するものとなります。


畳の縁を踏んではいけないというのは、そういった格式を重んじる日本社会から出来た風習です。
身分やその家(家系)を表す畳縁を踏むことは、無礼とされてきました。
植物や生き物をモチーフにした模様も多く、生き物を踏む付けるのは良くないという教えでもあったようです。
礼を大切にする日本人の思いやりの心から生まれたんですね。

余談ですが、武士にとって、畳縁を踏むことは床下に潜む敵に場所を知らせてしまうから危険!というサムライの知恵でもあったようです。




畳縁の材料には、麻や木綿、絹、合成繊維、あまり知られていないものに本革などもあります。


畳縁を踏まないということは、畳の構造的にも理に適っていたんです。
畳縁に使われる材料は、植物由来の染料で染められていたため、縁を踏むと擦れて傷んだり、歪みの原因にもなりました。
畳の歴史でも書きましたが、畳が一般庶民にも普及して当たり前に使われるようになったのは明治以降。
貴重品であった畳を長く使えるように大切にしていたことの表れでもあります。


現在でも、社寺や書院、床の間では小紋高麗縁を使ったり、格式を重んじる家では家紋の入った畳縁が使われたりします。


畳の敷き方も、畳縁の材料や柄も自由に選べる今、無限大の和室コーディネイトを楽しんで欲しいです☆

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Posted by 谷野設計 at 15:54Comments(0)日本建築豆知識床材

2017年02月06日

大切な人に知らせてほしい「地震は心配。でも他に直すとこあるし」という方へー耐震への想い

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


今日は、風が強いですね。
事務所前のため池に来ている渡り鳥が、強風の中、頑張って泳いでます。
たくましい☆
前回は、お寺と一般家庭で違う畳の敷き方とその訳を書きました。


先日、勉強会で、香川の耐震診断の補助金の話になりました。
耐震診断の補助金の枠が広がったことが、全国でも話題になっているそうです。

香川にいると、みんなもう知っているだろうと思っていたのですが、まだまだ耐震診断や、県の補助について知らない方も多いのかもしれないなと感じました。


「地震は心配だけど、そっちよりも今は直したいところあるし」
「地震が来たらきたで、壊れてもしょうがない。今さら耐震性高めても」
という方も多いのかもしれません。


香川では幸いなことに、しばらく大きい地震が起きていません。
なので、「地震」に対して、「起きたらどうしよう」という漠然とした不安があっても、それよりも快適な家にする方が先決なのかも・・・


地震に対して、対策しましょう!と弊社ではこれまで勉強会やセミナーなどを行って来ました。
それは、社長と私、それぞれに地震被害に体験を通しての想いがあるからです。


社長は、阪神淡路大震災の時、被災地に出向き炊き出しなどのボランティア活動をしていました。
そこで、見た被災者の方の家がなくなって憔悴した様子を見て、「家を建てる者として、胸が締め付けられる思いがした。」
といつも言っています。


私はというと、東日本大震災の際に、水戸で地震に合いました。
ライフラインが途絶え、壁に大きな亀裂が入った家で1日に何度も来る余震が怖くて、公民館で寝泊まりさせてもらったりしました。
連絡が取れない間、離れている家族にもとても心配をかけました。
情報が入ってくるようになると、沢山の方がもっとひどい状況だと分かり、「これくらいで被災したなんて言えない。帰る場所があるだけいい」
と思いました。
家が無くなったという話を沢山耳にするのは、本当にとても苦しいです。



『快適さはもちろん大事。それ以前に、安全安心を当たり前に、最大限に守ること』
現場見学会など、建物の構造などを公開しているのも、そういった想いがあります。


地震で家を失った方を目の当たりにしたからこそ、同じような思いをする人をつくりたくない。


いつ来るか分からない地震だから、いつ来ても大丈夫なように対策してほしいと思います。

大切な人を安心させてあげられるなら、
「とりあえず安心かどうかだけでもみてみよか」 「補助金おりるならしてみよっか」でいいと思うんです。
安全だと分かったら、ご家族も友達も安心できる。


ご自分の為にも、大切に思っている周りの人のためにも、家の安全性を考えてみてください。
心配な人がいたら、教えてあげてください。
私たちの想いです。

弊社はもちろん、さぬき市や香川県のでも相談窓口があります。
さぬき市都市計画課:電話:087-894-1113
香川県住宅課(耐震相談窓口)電話:087-832-3584



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Posted by 谷野設計 at 18:25Comments(0)日々のあれこれお知らせ