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Posted by あしたさぬき.JP at

2017年02月14日

屋根の瓦にもお寺の歴史と職人―大川町で一番古い真宗のお寺「善楽寺」

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


前回は、小豆島の佃煮屋さんを改修したお店『森國酒造』をご紹介しました


今日は、昨日予告していた、さぬき市大川町の『善楽寺(ぜんらくじ)』をご紹介します。



善楽寺は、真宗興正派のお寺。
大川町富田の地区(昔は富田郷と呼んだ)の真宗では一番古いお寺です。
ご住職のお話によると、開基は、室町時代の終わり頃(享禄3年)。約500年弱前だそうです。

現在の本堂は、明和元年(1764年)に建立された建物で、今年でちょうど253年!!(*‘ω‘ *)ワクワク♪

今回の探訪でも、沢山ご紹介したい部分があるので、今回は本堂の外回りをご紹介します。
(私の探訪時の悪い癖で、本堂全体を撮り忘れたので、全体は、改めて写真を撮りに行かせてもらいます)

まずは、屋根に注目☆
本堂の屋根は、平成元年に葺き直されたそうです。
瓦は、愛媛県の今治市菊間地区で造られている「菊間瓦」
菊間瓦には、さぬき土が6割も配合されているんです。なんか嬉しい☆


大棟部分の水板瓦は、葺き替えの際に一度下して焼き直したものだそうです。
水板瓦というのは、模様の入った板状の瓦を棟に垂直に並べたものです。
一枚一枚に付けられた立体の模様が、並べてはじめて一枚の大きな模様になるんです。
瓦職人の腕の見せ所☆

焼き直して再利用できるというもの、瓦の魅力ですね。


 
下り棟の瓦や、軒瓦などには、善楽寺の寺紋である「上がり藤に一」の紋様。


屋根の上でちょこんと見張っている獅子はちょっと可愛かったです。


本堂屋根を妻側から写した写真が上です。
鬼瓦は、平成の葺き替えの際には変えていないので、他の部分と瓦の色が違って見えますね。
この角度から見ると、恐い鬼に見えます。これも、瓦職人のすごいところ。見る角度によって、鬼の表情が違うんです。
屋根にのせた時の鬼を考えながら、作っているんですね。もはや芸術!

妻部分の懸魚は塗り替えられていて、美しい。




お寺さんの本堂外回りには、昔屋根に使われていた瓦などを大切に置いてあるお寺も多いです。
善楽寺さんでも、吹き替え前に使われていた鬼瓦などがありました。
鬼瓦は、何度か記事にもしていますが、本当に瓦によって(職人によって)表情が全然違くて面白いです。



本堂の縁下には、板瓦に修繕の記録が残されていました。
瓦の左上の方に、職人が残したであろうサイン?が微かに見えました。


木鼻の龍と獅子。この龍は雄ですね☆(雄雌の見分け方はこちらの記事でご紹介しています)


こちらは、桁隠し。
繊細な彫刻の桁隠しです。
こんな綺麗で繊細な桁隠しは、あまり見たことがありません(*‘ω‘ *)
見た感じ、建立当時(もしかしたら、それ以前のものを使っているかも)のもののようです。建立当時は、鮮やかな朱彩色が施されていたようです。


そして、虹梁の蟇股(蟇股と虹梁、徳勝寺の記事内でちょっと詳しくご紹介しています)




今回の探訪で、いくつか私の興奮ポイントがあったんですが、その一つ目が、蟇股でした。
何がって、ちょっとあまりに興奮して、記事が長くなりそうなので、次回は善楽寺の蟇股を詳しくご紹介したいと思います(*'ω'*)


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㈲谷野設計
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Posted by 谷野設計 at 17:10Comments(0)お寺の探訪記屋根