2018年10月18日
お寺の中で鳥居発見(#^.^#)♪
こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
昨年、酉年に因んで、建物の酉(鳥)特集をしたのですが、
その中でご紹介した「鳥居棚(とりいだな)」を寒川町徳勝寺のお寺の庫裡(くり)で発見☆
鳥居の形をしているので、その名も「鳥居棚」です。
思わず手を合わせたくなる棚ですね☆
地袋が無い鳥居棚は、特に西楼(せいろう)棚と呼ばれます。
こちらは、地袋(下に造る物入れ)がないので、西楼棚です☆
鳥居棚は、珍しくてお目にかかる機会も少ないんです☆
案内してくれた住職に感謝(*´ω`*)
************************
古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
工事も頼める設計屋さん
㈲谷野設計
さぬき市大川町富田西2911-1
0879-43-6807
info@tanino-sekkei.co.jp
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
昨年、酉年に因んで、建物の酉(鳥)特集をしたのですが、
その中でご紹介した「鳥居棚(とりいだな)」を寒川町徳勝寺のお寺の庫裡(くり)で発見☆
鳥居の形をしているので、その名も「鳥居棚」です。
思わず手を合わせたくなる棚ですね☆
地袋が無い鳥居棚は、特に西楼(せいろう)棚と呼ばれます。
こちらは、地袋(下に造る物入れ)がないので、西楼棚です☆
鳥居棚は、珍しくてお目にかかる機会も少ないんです☆
案内してくれた住職に感謝(*´ω`*)
2017/01/11
こんにちは☆さぬき市谷野設計の谷野です(^^)お読みいただき、有難うございます。昨日は、寒川町のお寺で、虹梁や蟇股に施された江戸時代の絵様について書きました☆そういえば、今年に入り、直ぐに出会ったのは猿だったのですが、今年の干支の酉について書いてない(/ω\)干支の酉ですが、起源からいうと…
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2017年05月29日
茶室で出会うレア釘―室礼の為に作られた釘?
こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
前回は、古民家の生き物探しのまとめ記事を書きました☆
今回は、床の間の中でも、特に茶室の床の間に使われる釘をご紹介します☆
釘といっても、今回ご紹介するのは、木材同士の接合や補強のために使われる釘とは違います。
室礼(しつらい)のための釘なんです☆
床の間に使われる釘には、用途の違いから大きく分けて2つあります。
1つは、床の間に飾る掛け軸を掛けるための釘。
もう一つは、お花を飾る花入れを掛けるためのもの。
花入れ用の釘は、主に茶室の床の間で見ることが出来ます。
数寄屋造りの床の間では取り入れられていたりもするのですが、一般の床の間ではほとんど見かけません。
なので、意図して出会わないと出会えない、レア釘(*´▽`*)
これまた、探訪の価値があるのが、この釘、床の間のどこに掛けるかで、種類が異なるんです!
こちらの写真は、三木町の渡邊邸の孤月庵の床の間。
写真右手の床柱に打ってあるのが、花入れを掛けるための釘『花生釘(はないけくぎ)』です。
レア釘に興奮して、写真を撮り忘れたりで、手持ちの写真が少ないのですが( ;∀;) この他のレア釘も、今後探訪してご紹介したいと思います☆
因みに、掛け軸を掛けるための釘がこちら↓
ここで使われているのは、掛け軸を吊るす時に使われる「折れ釘(おれくぎ)」の中でも、先端がコの字型になっている『二重折れ釘』です。
折れ釘と、花生け釘は、似て非なるもの。
それぞれの用途に合わせて、細かい調整が施されているため、形状や長さなど異なるんです。
「大は小を兼ねる!」と私なら同じものにしてしまいそうですが、
おもてなしの心の表現ともいえる室礼(しつらい)は、ほんとうに深いなぁ~と感じます(゜o゜)
もてなす方と、その場所を作る方、どちらの感性も素晴らしくて、建物を建てることの奥深さを考えさせられます☆
和釘(わくぎ)の記事は、下のリンク記事をご覧ください☆
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古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
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お読みいただき、有難うございます。
前回は、古民家の生き物探しのまとめ記事を書きました☆
今回は、床の間の中でも、特に茶室の床の間に使われる釘をご紹介します☆
釘といっても、今回ご紹介するのは、木材同士の接合や補強のために使われる釘とは違います。
室礼(しつらい)のための釘なんです☆
床の間に使われる釘には、用途の違いから大きく分けて2つあります。
1つは、床の間に飾る掛け軸を掛けるための釘。
もう一つは、お花を飾る花入れを掛けるためのもの。
花入れ用の釘は、主に茶室の床の間で見ることが出来ます。
数寄屋造りの床の間では取り入れられていたりもするのですが、一般の床の間ではほとんど見かけません。
なので、意図して出会わないと出会えない、レア釘(*´▽`*)
これまた、探訪の価値があるのが、この釘、床の間のどこに掛けるかで、種類が異なるんです!
こちらの写真は、三木町の渡邊邸の孤月庵の床の間。
写真右手の床柱に打ってあるのが、花入れを掛けるための釘『花生釘(はないけくぎ)』です。
レア釘に興奮して、写真を撮り忘れたりで、手持ちの写真が少ないのですが( ;∀;) この他のレア釘も、今後探訪してご紹介したいと思います☆
因みに、掛け軸を掛けるための釘がこちら↓
ここで使われているのは、掛け軸を吊るす時に使われる「折れ釘(おれくぎ)」の中でも、先端がコの字型になっている『二重折れ釘』です。
折れ釘と、花生け釘は、似て非なるもの。
それぞれの用途に合わせて、細かい調整が施されているため、形状や長さなど異なるんです。
「大は小を兼ねる!」と私なら同じものにしてしまいそうですが、
おもてなしの心の表現ともいえる室礼(しつらい)は、ほんとうに深いなぁ~と感じます(゜o゜)
もてなす方と、その場所を作る方、どちらの感性も素晴らしくて、建物を建てることの奥深さを考えさせられます☆
和釘(わくぎ)の記事は、下のリンク記事をご覧ください☆
2016/02/26
こんにちは☆お読みいただき、有難うございます。さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の工事も頼める設計屋さん谷野設計の一級建築士・谷野行範です(^^)今回は、和釘(わくぎ)について。写真は、改修中のお寺の庫裡で使われていた和釘です。現在一般的に釘と言われているのは洋釘で、胴…
2016/02/27
こんにちは☆さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の工事も頼める設計屋さん谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)お読みいただき、有難うございます。昨日のブログ「和釘(わくぎ)」のことでご質問を受けました。「古い日本建築は、釘を使っていないと聞いたんですが、このお寺では使っていた…
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2017年03月30日
床の間に取り込まれてない平書院
こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
今回は、平書院をご紹介します。
書院の種類などを書いた際に、写真が取込平書院のみだったので、平書院(取込じゃない)を三木町のお寺の庫裡で撮らせていただきました(*´▽`*)
こちらが、左から、書院・床・床脇と並んだ座敷の写真。
こちらが、書院の部分。
平書院(ひらしょいん)です。
出窓にせずに、床の間と縁側の仕切りの役目と、光を取り入れるための採光の役割を持っています。
略書院(りゃくしょいん)とも呼ばれます。
床の間の手前が開口になっているものが、平書院。
床の間に開口の一部もしくは全部が取り込まれているものを「取込平書院」と言います。
書院の関連記事は、こちらでもご紹介しています。
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今回は、平書院をご紹介します。
書院の種類などを書いた際に、写真が取込平書院のみだったので、平書院(取込じゃない)を三木町のお寺の庫裡で撮らせていただきました(*´▽`*)
こちらが、左から、書院・床・床脇と並んだ座敷の写真。
こちらが、書院の部分。
平書院(ひらしょいん)です。
出窓にせずに、床の間と縁側の仕切りの役目と、光を取り入れるための採光の役割を持っています。
略書院(りゃくしょいん)とも呼ばれます。
床の間の手前が開口になっているものが、平書院。
床の間に開口の一部もしくは全部が取り込まれているものを「取込平書院」と言います。
書院の関連記事は、こちらでもご紹介しています。
2016/01/08
こんにちは☆さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の工事も頼める設計屋さん谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)お読みいただき、有難うございます。初詣は家族で牟礼の八栗さんに行きました。参拝の後は、山田屋さんで初うどん(*'ω'*)銘酒「源氏正宗」の酒造家のお屋敷であった建物は、…
2016/01/12
こんにちは☆さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の工事も頼める設計屋さん谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)お読みいただき、有難うございます。山田屋さんの床の間のブログに、ご質問をいただきました☆ご興味を持っていただいて、とても嬉しいです(*'ω'*)「はじめまして建物のお…
2016/02/16
こんにちは☆さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の工事も頼める設計屋さん谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)お読みいただき、有難うございます。小泉八雲旧居で見た2つの床のご紹介☆床の間は、格式によって「真(しん)」「行(ぎょう)」「草(そう)」の3つに大別できます。書道…
2017/01/20
こんにちは☆さぬき市谷野設計の谷野です(^^)お読みいただき、有難うございます。谷野設計では、毎月ご縁のあった方や、県東のお寺さんなどに、日々の出来事で感じたことなどのお便りを出しています。昨年の11月から、お便りに寺社建築探訪記の瓦版も同封し始めました。瓦版は、ブログ記事で人気のあるも…
2017/01/23
こんにちは☆さぬき市谷野設計の谷野です(^^)お読みいただき、有難うございます。今日は風が強いですね。郵便局へ手紙を出しに行こうと出かけたら、あまりの風に危うく手紙が飛ばされるところでした( ;∀;)今日は、前回の書院と書院造の違いと書院の歴史に続き、「書院」について書きたいと思います。…
2017/02/21
こんにちは☆さぬき市谷野設計の谷野です(^^)お読みいただき、有難うございます今日も、さぬき市大川町の『善楽寺(ぜんらくじ)』を引き続きご紹介します。善楽寺は、真宗興正派のお寺。大川町富田の地区(昔は富田郷と呼んだ)の真宗では一番古いお寺です。ご住職のお話によると、開基は、室町時代の終…
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2017年02月21日
日本のお座敷は美しいー善楽寺探訪4
こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます
今日も、さぬき市大川町の『善楽寺(ぜんらくじ)』を引き続きご紹介します。
善楽寺は、真宗興正派のお寺。
大川町富田の地区(昔は富田郷と呼んだ)の真宗では一番古いお寺です。
ご住職のお話によると、開基は、室町時代の終わり頃(享禄3年)。約500年弱前だそうです。
現在の本堂は、明和元年(1764年)に建立された建物で、今年でちょうど253年!!
前回は、江戸時代の寺社建築の特徴が見られる彫刻など、本殿内部をご紹介しました☆
今回は、庫裡(くり)をご案内いただいた際に、私がときめいたものをご紹介します(*‘ω‘ *)
こちらは、お寺で「書院」と呼ばれているお座敷。
左から、脇床(わきどこ)・床(とこ)・書院と並んでいます。
書院は、床の間に取り込まれた取込付け書院の形式です。
書院窓から取り込まれた光のつくる陰影がとても綺麗です(´▽`)
書院欄間は、桝格子に井桁の組子。(組子というのは、とってもざっくり言うと、戸に入った色んな模様の枠です)
書院窓は、縦繁(たてしげ)という組子の縦の材(竪子:たてこ)を狭い感覚で組んだもので、書院に多く用いられる組子の種類です。
こちらの縦繁の中でも、竪子の本数の多い「柳(やなぎ)」と呼ばれるものです。(短冊と呼んだりもします)
畳床の畳縁↓
七宝花角の紋様です。
お座敷の畳縁↓
亀甲に折り鶴☆
畳縁だけ見ると、とても大胆な柄ですが、室内全体で見るとさりげないアクセント。
お座敷とのバランスが絶妙で、とっても参考になりました☆
こちらは、綺麗なガラス戸☆
上部は、変わり組子。
上の写真は、変わり組子の角の一部を撮ったものです。
細かく切れ目を入れて、部材に丸みを持たせているのが良く分かります。
こういったガラス戸にも、障子や格子戸などの組子技術が受け継がれていて、日本のガラス戸の種類は、障子の組子種類が基になっているんです。
その為、昭和中期くらいまでのガラス戸には、日本独特のガラス戸のデザインが多いんですね☆
現在は、そのデザイン性が珍しく、日本人だけじゃなく、海外の方もレトロなガラス戸のコレクターが多いです☆
大量生産できる建具に押され、組子技術を持った職人も減少してきましたが、伝統技術を持った職人を絶やさない為の努力を、
建築に関わる者全体で考えて行かなくちゃいけないなぁ~と、ご住職に庫裡をご案内いただき、お話しながら思いました。
次回は、善楽寺さんの探訪で、どこから見ても大興奮☆ワクワクが止まらない門をご紹介します☆
************************
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今日も、さぬき市大川町の『善楽寺(ぜんらくじ)』を引き続きご紹介します。
善楽寺は、真宗興正派のお寺。
大川町富田の地区(昔は富田郷と呼んだ)の真宗では一番古いお寺です。
ご住職のお話によると、開基は、室町時代の終わり頃(享禄3年)。約500年弱前だそうです。
現在の本堂は、明和元年(1764年)に建立された建物で、今年でちょうど253年!!
前回は、江戸時代の寺社建築の特徴が見られる彫刻など、本殿内部をご紹介しました☆
今回は、庫裡(くり)をご案内いただいた際に、私がときめいたものをご紹介します(*‘ω‘ *)
こちらは、お寺で「書院」と呼ばれているお座敷。
左から、脇床(わきどこ)・床(とこ)・書院と並んでいます。
書院は、床の間に取り込まれた取込付け書院の形式です。
書院窓から取り込まれた光のつくる陰影がとても綺麗です(´▽`)
書院欄間は、桝格子に井桁の組子。(組子というのは、とってもざっくり言うと、戸に入った色んな模様の枠です)
書院窓は、縦繁(たてしげ)という組子の縦の材(竪子:たてこ)を狭い感覚で組んだもので、書院に多く用いられる組子の種類です。
こちらの縦繁の中でも、竪子の本数の多い「柳(やなぎ)」と呼ばれるものです。(短冊と呼んだりもします)
畳床の畳縁↓
七宝花角の紋様です。
お座敷の畳縁↓
亀甲に折り鶴☆
畳縁だけ見ると、とても大胆な柄ですが、室内全体で見るとさりげないアクセント。
お座敷とのバランスが絶妙で、とっても参考になりました☆
こちらは、綺麗なガラス戸☆
上部は、変わり組子。
上の写真は、変わり組子の角の一部を撮ったものです。
細かく切れ目を入れて、部材に丸みを持たせているのが良く分かります。
こういったガラス戸にも、障子や格子戸などの組子技術が受け継がれていて、日本のガラス戸の種類は、障子の組子種類が基になっているんです。
その為、昭和中期くらいまでのガラス戸には、日本独特のガラス戸のデザインが多いんですね☆
現在は、そのデザイン性が珍しく、日本人だけじゃなく、海外の方もレトロなガラス戸のコレクターが多いです☆
大量生産できる建具に押され、組子技術を持った職人も減少してきましたが、伝統技術を持った職人を絶やさない為の努力を、
建築に関わる者全体で考えて行かなくちゃいけないなぁ~と、ご住職に庫裡をご案内いただき、お話しながら思いました。
次回は、善楽寺さんの探訪で、どこから見ても大興奮☆ワクワクが止まらない門をご紹介します☆
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2017年01月23日
書院の種類
こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
今日は風が強いですね。
郵便局へ手紙を出しに行こうと出かけたら、あまりの風に危うく手紙が飛ばされるところでした( ;∀;)
今日は、前回の書院と書院造の違いと書院の歴史に続き、「書院」について書きたいと思います。
今回ご紹介するのは、床の間に取り入れられた現在の「書院」について、その種類をご紹介します。
書院は大きく分けると2種類に分かれます。
1つは「付け書院」、もう一つが「平書院(ひらしょいん)」です。
「付け書院」は、古来の形を伝承したもので、縁側にせり出した出窓状のものです。
(志度の地蔵寺の付け書院)
(縁側から撮った付け書院部分)
付け書院は、別称が多く、「本書院」、「出書院」、「出文(いだしふ)机」、「出文(いだしふ)棚」、「明り書院」などとも言われます。
正式とされる形は「柱建書院(はしらだてしょいん)」
かっちりした印象で、書道でいう「楷書」のイメージ。
対して、略式のものは「妻板書院(つまいたしょいん)」。
柔らかく、軽快な印象で、書道に例えると「草書」のイメージ。
「平書院」は、書院自体の略式で、床の間と縁側の仕切りとして採光の為の窓を入れたものです。
床の間の内部に採光の為に取り込まれたものは、「取込書院(とりこみしょいん)」といいます。
写真の書院は、どれも床の間に取り込まれた取込書院です。
書院の明りを取り入れるための窓(書院窓)には、明かり障子、欄間、火灯窓(かとうまど)などが用いられ、デザイン性に富んだ書院が増えました。
香川の書院の個人的なお勧めは、金比羅さんにある書院造りの付け書院です。
表書院は一般公開されているので、是非見てみてください☆
順路が縁側を廻る形になっているので、座敷内部には入れませんが、綺麗な庭が付け書院からどう切り取られて見えるか想像しながら見ると、一層楽しめます(*'ω'*)
************************
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㈲谷野設計
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さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
今日は風が強いですね。
郵便局へ手紙を出しに行こうと出かけたら、あまりの風に危うく手紙が飛ばされるところでした( ;∀;)
今日は、前回の書院と書院造の違いと書院の歴史に続き、「書院」について書きたいと思います。
今回ご紹介するのは、床の間に取り入れられた現在の「書院」について、その種類をご紹介します。
書院は大きく分けると2種類に分かれます。
1つは「付け書院」、もう一つが「平書院(ひらしょいん)」です。
「付け書院」は、古来の形を伝承したもので、縁側にせり出した出窓状のものです。
(志度の地蔵寺の付け書院)
(縁側から撮った付け書院部分)
付け書院は、別称が多く、「本書院」、「出書院」、「出文(いだしふ)机」、「出文(いだしふ)棚」、「明り書院」などとも言われます。
正式とされる形は「柱建書院(はしらだてしょいん)」
かっちりした印象で、書道でいう「楷書」のイメージ。
対して、略式のものは「妻板書院(つまいたしょいん)」。
柔らかく、軽快な印象で、書道に例えると「草書」のイメージ。
「平書院」は、書院自体の略式で、床の間と縁側の仕切りとして採光の為の窓を入れたものです。
床の間の内部に採光の為に取り込まれたものは、「取込書院(とりこみしょいん)」といいます。
写真の書院は、どれも床の間に取り込まれた取込書院です。
書院の明りを取り入れるための窓(書院窓)には、明かり障子、欄間、火灯窓(かとうまど)などが用いられ、デザイン性に富んだ書院が増えました。
香川の書院の個人的なお勧めは、金比羅さんにある書院造りの付け書院です。
表書院は一般公開されているので、是非見てみてください☆
順路が縁側を廻る形になっているので、座敷内部には入れませんが、綺麗な庭が付け書院からどう切り取られて見えるか想像しながら見ると、一層楽しめます(*'ω'*)
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2017年01月20日
瓦版を読んで感想を頂きました☆頂いたメールにあった書院についてと書院造との違い
こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
谷野設計では、毎月ご縁のあった方や、県東のお寺さんなどに、日々の出来事で感じたことなどのお便りを出しています。
昨年の11月から、お便りに寺社建築探訪記の瓦版も同封し始めました。
瓦版は、ブログ記事で人気のあるものを少しだけ詳しく書き足して紹介しています。
瓦版発行3回目は、牟礼のうどん本陣「山田屋」さんの床の間について書いた記事。
昨日、さぬき市内のお寺の住職から嬉しいメールを頂きました。
『今回の寺社建築探訪記に書いてあった書院について大変勉強になりました。今まで部屋全体を書院と思っていましたが、床の横にある開口部を書院ということを初めて知りました。また、違い棚を床脇と呼ぶことも知りませんでした。ありがとうございました。これからブログ拝見させていただきます。』
読んでいただけるだけでも嬉しいのに、感想を聞かせて頂けるなんて、この上ない幸せ(*‘ω‘ *)
有難うございます<(_ _)>
メールの内容にあった書院について、少し詳しくご紹介したいと思います。
今日は、よく混同される「書院」と「書院造」について、2つの違いを書きたいと思います。
「書院造り」というと、室町時代の文化の象徴として知られています。
「書院造」とは、建物の「造り」を表すもので、それまでの建具による間仕切りの無い「寝殿造り」と対比して、細かく建物を建具によって間仕切りしたものを言います。
その間仕切りした部屋の中で、中核となったのが、「書院」を取り入れた部屋だったので「書院造」と呼ばれるようになりました。
書院造りの書院で最古の遺構は、慈照寺銀閣(通称:銀閣寺)東求堂(とうぐどう)の同仁斎です。
「書院」とは、厳密にいうと読書や書き物をするための場所のことです。中国では「学問所」のことです。
この元来の読書や書き物をする場所(現在でいうところの書斎)としての「書院」は、平安時代後期にはあったと考えられます。
日本で最初に取り入れられたのは僧侶の「勧学所」としてでした。
「書院」の原型は、出窓状の出し文机で、『法然上人絵伝』にも、この出窓状の書院が描かれています。
イメージの画を描いてみましたが、絵心が足りない(;´∀`)
奥には、素敵な外の景色が広がっている想像をしてください(*'ω'*)
空間自体が勧学所として使用されていたのを考えると、先程の住職のメールにあった「部屋全体を書院と思っていた」というのは、お寺の本来の「書院」としては正しいのではないかと私は思っています。
平安時代後期に武士階級が権力を持ち始めると、地方の武家の家に「書院」が取り入れられるようになります。
平安時代の「貴族」の「寝殿造り」に対して、武士の「武家造り」と言います。
(ただ、武家造りに関しては、曖昧なところが多く、はっきりとした造りは分かっていません。)
後にこの武家造りが、「しつらい」を取り入れた書院造へと発展します。
「書院」本来の実用を離れて、座敷飾りの一部として取り入れられるようになった結果、現在のような書院になりました。
(説明の中で、座敷の成り立ちと書院の関連は割愛しています)
つまり、「書院造」は、建物全体の構成を表し、「書院」は、本来、書斎という場所を表します。
(書院については、現在では、床の間の形式上の書院のみを指すことが一般的です。)
書院には、その構法でいくつかの種類があります。
次回は、書院の種類について書きたいと思います。
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お読みいただき、有難うございます。
谷野設計では、毎月ご縁のあった方や、県東のお寺さんなどに、日々の出来事で感じたことなどのお便りを出しています。
昨年の11月から、お便りに寺社建築探訪記の瓦版も同封し始めました。
瓦版は、ブログ記事で人気のあるものを少しだけ詳しく書き足して紹介しています。
瓦版発行3回目は、牟礼のうどん本陣「山田屋」さんの床の間について書いた記事。
昨日、さぬき市内のお寺の住職から嬉しいメールを頂きました。
『今回の寺社建築探訪記に書いてあった書院について大変勉強になりました。今まで部屋全体を書院と思っていましたが、床の横にある開口部を書院ということを初めて知りました。また、違い棚を床脇と呼ぶことも知りませんでした。ありがとうございました。これからブログ拝見させていただきます。』
読んでいただけるだけでも嬉しいのに、感想を聞かせて頂けるなんて、この上ない幸せ(*‘ω‘ *)
有難うございます<(_ _)>
メールの内容にあった書院について、少し詳しくご紹介したいと思います。
今日は、よく混同される「書院」と「書院造」について、2つの違いを書きたいと思います。
「書院造り」というと、室町時代の文化の象徴として知られています。
「書院造」とは、建物の「造り」を表すもので、それまでの建具による間仕切りの無い「寝殿造り」と対比して、細かく建物を建具によって間仕切りしたものを言います。
その間仕切りした部屋の中で、中核となったのが、「書院」を取り入れた部屋だったので「書院造」と呼ばれるようになりました。
書院造りの書院で最古の遺構は、慈照寺銀閣(通称:銀閣寺)東求堂(とうぐどう)の同仁斎です。
「書院」とは、厳密にいうと読書や書き物をするための場所のことです。中国では「学問所」のことです。
この元来の読書や書き物をする場所(現在でいうところの書斎)としての「書院」は、平安時代後期にはあったと考えられます。
日本で最初に取り入れられたのは僧侶の「勧学所」としてでした。
「書院」の原型は、出窓状の出し文机で、『法然上人絵伝』にも、この出窓状の書院が描かれています。
イメージの画を描いてみましたが、絵心が足りない(;´∀`)
奥には、素敵な外の景色が広がっている想像をしてください(*'ω'*)
空間自体が勧学所として使用されていたのを考えると、先程の住職のメールにあった「部屋全体を書院と思っていた」というのは、お寺の本来の「書院」としては正しいのではないかと私は思っています。
平安時代後期に武士階級が権力を持ち始めると、地方の武家の家に「書院」が取り入れられるようになります。
平安時代の「貴族」の「寝殿造り」に対して、武士の「武家造り」と言います。
(ただ、武家造りに関しては、曖昧なところが多く、はっきりとした造りは分かっていません。)
後にこの武家造りが、「しつらい」を取り入れた書院造へと発展します。
「書院」本来の実用を離れて、座敷飾りの一部として取り入れられるようになった結果、現在のような書院になりました。
(説明の中で、座敷の成り立ちと書院の関連は割愛しています)
つまり、「書院造」は、建物全体の構成を表し、「書院」は、本来、書斎という場所を表します。
(書院については、現在では、床の間の形式上の書院のみを指すことが一般的です。)
書院には、その構法でいくつかの種類があります。
次回は、書院の種類について書きたいと思います。
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古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
工事も頼める設計屋さん
㈲谷野設計
香川県さぬき市大川町富田西2911-1
0879-43-6807
info@tanino-sekkei.co.jp
2016年02月16日
小泉八雲旧居(元は侍屋敷)で見た2つの床(とこ)-「行」と「草」
こんにちは☆
さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の
工事も頼める設計屋さん
谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
小泉八雲旧居で見た2つの床のご紹介☆
床の間は、格式によって「真(しん)」「行(ぎょう)」「草(そう)」の3つに大別できます。
書道でいうと「真」は楷書、「行」は行書、「草」は草書。硬・中・軟と言い換えると分かりやすいかもしれません。
基準については曖昧なところも多いのですが、おおよそ使用している木材や床構えによって分類できます。
↓こちらは、書斎にある「行」の床の間。
押入れの奥に床(とこ)と書院があります。
床脇を省略し、棚を書院に取り込んだ形ですね。
書院の縁側には火灯窓(かとうまど)があります。丸火灯という形状のものです。
↓は、書院側から広縁側の壁にある織部窓(おりべまど)を写したもの。掛け障子が掛けられています。
織部窓というのは、床の間の意匠と照明を兼ねた窓で、茶室、数寄屋普請の床の間の脇壁にある下地窓のことです。
↓は、広縁側から織部窓(おりべまど)を写したもの。この織部窓、ちょっと不思議な点がありまして、掛け障子は床の外側にあるのが一般的なのですが、こちらの床の間は掛け障子が内側にありました。
その織部窓の左官仕上げの部分が素晴らしかった☆
縁をハマグリの貝の合わせ口の先端部分のように紡錘形(ほうすいけい)に仕上げることを「蛤刃(はまぐりば)」といい、左官の仕事としてかなりの技術を要するものですが、とても綺麗な蛤刃でした!
2つ目の床の間は、限りなく簡略化された床の間で「草」に入ると思われます。
床の間の上部にある壁を「下がり壁」といい、その小壁を受け止める横木を「落とし掛け」といいます。
この落とし掛けは、戦国時代突然の敵の侵入に備えて武器として使うため、取り外し自由にしていたという説もあります。
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小泉八雲旧居で見た2つの床のご紹介☆
床の間は、格式によって「真(しん)」「行(ぎょう)」「草(そう)」の3つに大別できます。
書道でいうと「真」は楷書、「行」は行書、「草」は草書。硬・中・軟と言い換えると分かりやすいかもしれません。
基準については曖昧なところも多いのですが、おおよそ使用している木材や床構えによって分類できます。
↓こちらは、書斎にある「行」の床の間。
押入れの奥に床(とこ)と書院があります。
床脇を省略し、棚を書院に取り込んだ形ですね。
書院の縁側には火灯窓(かとうまど)があります。丸火灯という形状のものです。
↓は、書院側から広縁側の壁にある織部窓(おりべまど)を写したもの。掛け障子が掛けられています。
織部窓というのは、床の間の意匠と照明を兼ねた窓で、茶室、数寄屋普請の床の間の脇壁にある下地窓のことです。
↓は、広縁側から織部窓(おりべまど)を写したもの。この織部窓、ちょっと不思議な点がありまして、掛け障子は床の外側にあるのが一般的なのですが、こちらの床の間は掛け障子が内側にありました。
その織部窓の左官仕上げの部分が素晴らしかった☆
縁をハマグリの貝の合わせ口の先端部分のように紡錘形(ほうすいけい)に仕上げることを「蛤刃(はまぐりば)」といい、左官の仕事としてかなりの技術を要するものですが、とても綺麗な蛤刃でした!
2つ目の床の間は、限りなく簡略化された床の間で「草」に入ると思われます。
床の間の上部にある壁を「下がり壁」といい、その小壁を受け止める横木を「落とし掛け」といいます。
この落とし掛けは、戦国時代突然の敵の侵入に備えて武器として使うため、取り外し自由にしていたという説もあります。
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2016年01月12日
床脇の違い棚 床(とこ)に対してどっち側の棚が高い?-アクアマリンさんからのご質問
こんにちは☆
さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の
工事も頼める設計屋さん
谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
山田屋さんの床の間のブログに、ご質問をいただきました☆
ご興味を持っていただいて、とても嬉しいです(*'ω'*)
「はじめまして
建物のお話、とても興味深く楽しみにしております
教えていただきたいのですが、
床脇の違棚、床柱に近い方が低い場合・逆に高い場合、両方を見た事があります
これは何か違いや約束事などがありますか?
地袋のあるなしや時代なども関係あるのでしょうか?
宜しくお願い致します」
というご質問です。
なんと、素敵なご質問でしょう!視点の鋭さに感激しました!
現在は、床脇の形状も多種多様で、どれが正式⁈というものも難しくなってきました。
特に、千利休が茶室に床(とこ)を取り入れてからのち、床の間は大革新しました。後に、数寄屋に発展します。
千利休の縁の茶室はこちらの記事に載せています。
その為、書院造りの流れを汲んでいるか、大革新後の数寄屋の流れを汲んでいるかによっても形状は様々です。
ご質問の違い棚の件、
本来は(床脇の成り立ちが書院に起因することからすると)、違い棚の高い方を床の間側に取り付けます。
これは、縁側から床の間に取り込んだ採光を遮らないためです。
巻物などの書状を広げたりするのに、暗いと不便ですものね。
しかし、ご質問頂いたように、床柱側(床側)が低いものもあります。
これは、床脇が形式上の飾りとして使用されるようになったことに理由があると考えられます。
本床(ほんどこ)といわれる床の間の形状は、左から書院・床・脇床 の順でした。
書院が最も光を取り入れやすいように縁側にあります。
床の間は南向き(北床)、東向き(西床)が良いとされていて、
冬の北風を避け、夏の西日を遮る壁の必要性から床の間の位置が決定されました。
客人をもてなす為に、日当たりの良い南に庭をとることが多く、東向きの床の間が一般的でした。
その為、本床の並びが床の間の一般的な形状として伝わり、床と床脇の並びが異なる逆床でも、
正面から捉えた形式のみが採用された結果、本来床側が高くなるはずの違い棚が逆にとられたものと思われます。
日本人の生活様式の変化に伴って、様々に発展した「床の間」
違い棚一つをとっても、面白い発見があって楽しいですね☆
ご質問頂いた、アクアマリンさんに感謝です(*'ω'*)
日本の伝統建築の象徴の一つである床。
とっても奥深いので、今後も様々な床の間をご紹介できればと思います☆
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ご興味を持っていただいて、とても嬉しいです(*'ω'*)
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建物のお話、とても興味深く楽しみにしております
教えていただきたいのですが、
床脇の違棚、床柱に近い方が低い場合・逆に高い場合、両方を見た事があります
これは何か違いや約束事などがありますか?
地袋のあるなしや時代なども関係あるのでしょうか?
宜しくお願い致します」
というご質問です。
なんと、素敵なご質問でしょう!視点の鋭さに感激しました!
現在は、床脇の形状も多種多様で、どれが正式⁈というものも難しくなってきました。
特に、千利休が茶室に床(とこ)を取り入れてからのち、床の間は大革新しました。後に、数寄屋に発展します。
千利休の縁の茶室はこちらの記事に載せています。
その為、書院造りの流れを汲んでいるか、大革新後の数寄屋の流れを汲んでいるかによっても形状は様々です。
ご質問の違い棚の件、
本来は(床脇の成り立ちが書院に起因することからすると)、違い棚の高い方を床の間側に取り付けます。
これは、縁側から床の間に取り込んだ採光を遮らないためです。
巻物などの書状を広げたりするのに、暗いと不便ですものね。
しかし、ご質問頂いたように、床柱側(床側)が低いものもあります。
これは、床脇が形式上の飾りとして使用されるようになったことに理由があると考えられます。
本床(ほんどこ)といわれる床の間の形状は、左から書院・床・脇床 の順でした。
書院が最も光を取り入れやすいように縁側にあります。
床の間は南向き(北床)、東向き(西床)が良いとされていて、
冬の北風を避け、夏の西日を遮る壁の必要性から床の間の位置が決定されました。
客人をもてなす為に、日当たりの良い南に庭をとることが多く、東向きの床の間が一般的でした。
その為、本床の並びが床の間の一般的な形状として伝わり、床と床脇の並びが異なる逆床でも、
正面から捉えた形式のみが採用された結果、本来床側が高くなるはずの違い棚が逆にとられたものと思われます。
日本人の生活様式の変化に伴って、様々に発展した「床の間」
違い棚一つをとっても、面白い発見があって楽しいですね☆
ご質問頂いた、アクアマリンさんに感謝です(*'ω'*)
日本の伝統建築の象徴の一つである床。
とっても奥深いので、今後も様々な床の間をご紹介できればと思います☆
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2016年01月08日
山田屋の奥座敷「床・床脇・書院」-うどんと屋敷を味わう
こんにちは☆
さぬき市の「古民家再生と築40年以上の木造専門」の
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谷野設計の学芸員・谷野友香です(^^)
お読みいただき、有難うございます。
初詣は家族で牟礼の八栗さんに行きました。
参拝の後は、山田屋さんで初うどん(*'ω'*)
銘酒「源氏正宗」の酒造家のお屋敷であった建物は、国の重要文化財に指定されていて、うどんはもちろん建物の趣も楽しめます☆
今回は母屋の奥座敷に通されました。
この奥座敷は、お殿様をもてなしたこともあるそう。
昔のお屋敷の見どころが随所に沢山あります☆
今回は、奥座敷の床の間に注目しました。
書院造の床の間で、「床の間、床脇(とこわき)、書院」が揃った格式の高い床構えです。
配置で見ると、床に向かって左から「床脇・床・書院」の順に並んだ逆床(ぎゃくとこ)で、正式な形式の本床(ほんどこ)を反転させた配置になっています。
↑こちらは、床。
掛け軸が掛けられ、季節の花が室礼(しつらい)されていて、おもてなしの精神が表現されています。
室礼は、平安時代に生まれた言葉で、部屋をお客をもてなすために季節に合った空間に変える知恵なんですよ☆
↓こちらは、「床脇」。
床の脇にあることから、床脇とされていますが、床脇の発生は床の間とはもともと関係が無く、巻物や文具類を置く棚が本来の目的のため、書院との関係が深いものです。
床は、おもてなしの為の公共スペースなのに対して、床脇・書院はもともとは私室に作られた勉強(読書)をするプライベートスペースです。
桃山時代以降、その公私の区別がなくなり、現在のような床の間の形状が出来上がりました。
床脇の形状は沢山あるのですが、こちらの床脇は、地袋のない違い棚の形状。
上棚板の端にある跳ね上がった形状のものは、「筆返し」といい、棚に置いた巻物や筆が落ちるのを防ぐ役割と、板の反りを防ぐ役割があります。
時代と共にデザイン性の意味合いが強くなり多様な形状が出来ています。
床の横に見える陶器を飾っている縁側沿いの開口部が書院です。
書院の原型は出し文机で、造りつけの机を読書の場所として使用していました。
桃山時代以降に、床や脇床と近接して造られる座敷飾りの定番になりました。
こちらの書院は、床の間の壁部分まで取り込んで配置してある「取込書院(とりこみしょいん)」という形式です。
床の間内にも外の光を取り入れることができます。
欄間は一枚で、細かい装飾が施されていて、とてもきれいでした☆
重要文化財の建物の中で、おいしいうどんを食べられるなんてとても贅沢なことだなあ~と感じました(^^)
山田屋さんにお出かけの際は、是非古民家の趣も堪能してください☆
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古民家再生と築40年以上の木造住宅改修・設計専門店
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参拝の後は、山田屋さんで初うどん(*'ω'*)
銘酒「源氏正宗」の酒造家のお屋敷であった建物は、国の重要文化財に指定されていて、うどんはもちろん建物の趣も楽しめます☆
今回は母屋の奥座敷に通されました。
この奥座敷は、お殿様をもてなしたこともあるそう。
昔のお屋敷の見どころが随所に沢山あります☆
今回は、奥座敷の床の間に注目しました。
書院造の床の間で、「床の間、床脇(とこわき)、書院」が揃った格式の高い床構えです。
配置で見ると、床に向かって左から「床脇・床・書院」の順に並んだ逆床(ぎゃくとこ)で、正式な形式の本床(ほんどこ)を反転させた配置になっています。
↑こちらは、床。
掛け軸が掛けられ、季節の花が室礼(しつらい)されていて、おもてなしの精神が表現されています。
室礼は、平安時代に生まれた言葉で、部屋をお客をもてなすために季節に合った空間に変える知恵なんですよ☆
↓こちらは、「床脇」。
床の脇にあることから、床脇とされていますが、床脇の発生は床の間とはもともと関係が無く、巻物や文具類を置く棚が本来の目的のため、書院との関係が深いものです。
床は、おもてなしの為の公共スペースなのに対して、床脇・書院はもともとは私室に作られた勉強(読書)をするプライベートスペースです。
桃山時代以降、その公私の区別がなくなり、現在のような床の間の形状が出来上がりました。
床脇の形状は沢山あるのですが、こちらの床脇は、地袋のない違い棚の形状。
上棚板の端にある跳ね上がった形状のものは、「筆返し」といい、棚に置いた巻物や筆が落ちるのを防ぐ役割と、板の反りを防ぐ役割があります。
時代と共にデザイン性の意味合いが強くなり多様な形状が出来ています。
床の横に見える陶器を飾っている縁側沿いの開口部が書院です。
書院の原型は出し文机で、造りつけの机を読書の場所として使用していました。
桃山時代以降に、床や脇床と近接して造られる座敷飾りの定番になりました。
こちらの書院は、床の間の壁部分まで取り込んで配置してある「取込書院(とりこみしょいん)」という形式です。
床の間内にも外の光を取り入れることができます。
欄間は一枚で、細かい装飾が施されていて、とてもきれいでした☆
重要文化財の建物の中で、おいしいうどんを食べられるなんてとても贅沢なことだなあ~と感じました(^^)
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