2018年09月05日

扇を持った禅さんの屋根☆―扇垂木

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。

前回の記事では、東かがわ市正行寺さんの門の彫刻について書きました☆
今日は、東かがわ市正行寺さんの本堂屋根に注目☆
扇を持った禅さんの屋根☆―扇垂木

垂木という、棟からの軒に向かって斜めに掛け渡している木材が見えます。
垂木は、場所や配列の仕方によって分類されるので、○○垂木という名称が沢山あります。
垂木の載っている記事↓






中国や韓国の社寺にも垂木はありますが、木材資源が乏しかったため、丸太が使われ、円垂木と言います。


正行寺さんの本堂屋根では、垂木が放射線状に並んでいます。
扇を持った禅さんの屋根☆―扇垂木

「扇垂木(おうぎだるき)」です。

古代の寄棟屋根では、垂木に均等に荷重がかかる扇垂木はとても自然な構造体でした。

鎌倉時代、大仏様と禅宗様の導入とともに社寺建築にも用いられるようになります。
ただ、あまり実例がなく、一般的な平行垂木に比べると珍しい垂木の並びです。

構造的に安定しているにも関わらず、扇垂木がメジャーにならなかったのは、日本人が平行線から感じる安定性の美しさの方が好きだったという説があります。

扇垂木でも、大仏様と禅宗様では使われる範囲が異なっていて、
大仏様では、隅の方だけ放射状になった「隅扇(すみおうぎ)になっています。
禅宗様では、軒全体にわたって放射状に配列されます。
扇を持った禅さんの屋根☆―扇垂木

正行寺さんの本堂屋根は、禅宗様になっています。


正行寺さんの他の記事は↓





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