2018年04月04日

古代から変わらない水平・垂直の取り方

こんにちは☆
さぬき市谷野設計の谷野です(^^)
お読みいただき、有難うございます。


以前、岩盤上に建つお寺で一際職人の腕の光っていた「光付け」について、当時の工法に遡ってご紹介しました☆

前回の記事に、コメントとご質問頂いた沼津の源さん、有難うございます(^^)
今回は、ご質問頂いた「水平・垂直をどのように取っていたのか?」についてご紹介しようと思います☆


垂直を図る方法は、実は今も昔も変わっていません。
重力を利用して、測っています。


糸の先に重りを付け、糸の上端と柱の距離と重りの付いた糸の下端との柱の距離を測ります。
その距離が両方同じであれば、垂直。
古代から変わらない水平・垂直の取り方

距離は、木片や竹などをあてて印をつけて、両方の距離が同じかどうかを見ていました。


現在の下げ振り
古代から変わらない水平・垂直の取り方

(写真はAmazonから拝借しました。)

意外に思われるかもしれませんが、ほぼ同じ道具が使われています。
レーザーを使ったものもありますが、これも原理は同じです。


水平を図るのも、自然の大原則を利用しています。
前回の記事のコメントで、「たらいに水を張るのですか?」とのことですが、まさに!その原理です(^^)

水平を定めることを、「水盛り(みずもり)」というのですが、
水盛りには、規模に合わせて、また場所に合わせて、色んな水準を取るための方法があります。
一つずつご紹介しますね☆


●鴨居に水を入れて水平を図る方法
 鴨居の溝に水を入れて、溝の水位が丁度になるように見る水平の取り方。

●水盛り台を用いて測る方法
古代から変わらない水平・垂直の取り方

 角材の面に浅く溝を掘って、その両端に四角い大きな穴を彫って水を溜め、水面を見る水平の取り方。

●竹筒を用いて図る方法
古代から変わらない水平・垂直の取り方
 真ん中の筒から水を入れ、両端の同じ長さに切り揃えた竹筒から丁度水が溢れそうになるところを見て水平を取る取り方。

他にも、タンクとホースを使うやり方など。
道具は異なっても、どれも、原理は水が常に水平をとることを用いています。

現在使われている水盛り器や、レベルも原理は同じ。


垂直・水平を測る道具がいつ頃出来たのか、どの道具から成り立ったのか、などの詳細は分かりませんが、
建築物に無くてはならない、正確な垂直・水平を出すための知恵は、古代から存在した、ということだけは確かです。


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